
6月初旬,梅雨空に真っ白なウツギの花が咲き出していました。
卯の花ともよばれるこの花,唱歌「夏は来ぬ」にもあるように,
夏の訪れを告げる花です。

空木(ウツギ)の名は根元に近い茎に空洞があるから,
しかし,空洞があっても木質は硬く,
木釘の材料として使われています。

卯の花より一月ほど早い5月初旬,
これも白いきれいな花を咲かせるヒメウツギ,
山野の谷沿いの岩場などに多く見られる落葉低木です。
ウツギ(卯の花)より葉や花が小型なためこの名がつけられています。
環境適性が広範囲であり,育てやすい庭木としても広く利用されているようです。

梅に似た上品な純白の4弁花を咲かせるその名も梅花空木(バイカウツギ),
卯の花とほぼ同じく6月初旬に花を咲かせていました。
本州,四国,九州の山地などに自生するようですが,
八重咲きや大輪の園芸種も作られ,庭木としても利用されています。
このバイカウツギそしてウツギやヒメウツギはユキノシタ科のウツギ,
タニウツギやハコネウツギ,ニシキウツギなどはスイカズラ科,
同じウツギの名がありますが,科が異なります。
幹の中が空洞であるのが共通でどれもウツギ(空木)の名がつけられています。
卯の花や匂いなけども虫集む