行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

藤袴,鵯花

2010-10-31 21:07:22 | 花,植物
秋の七草の一つである藤袴(フジバカマ),
七草の中で一番見当たらない花でしたが,
咲いている姿をやっと見つけました(10/24)。




キク科ヒヨドリバナ属の多年草,
花の色が藤色で花弁の形が袴に似ているので藤袴の名があるとのことです。
原産は中国と言われていますが,
万葉の昔から日本人に親しまれてきた花,
かつては日本各地の川の土手などに自生していましたが,
今は,その自生種はほとんど見られなくなり,
園芸用としての改良種がフジバカマと称されているものの大部分のようです。
写真も道端の花壇スポットに植えられていたもの,園芸用品種です。
改良種は写真のように茎に赤みがあり,原種にはないようです。


葉が三裂になっているのがフジバカマの特徴,
その葉の形で,よく似た同科同属の鵯花(ヒヨドリバナ)と区別ができます。
写真はヒヨドリバナ,葉は楕円形で鋸葉,三裂していません。
こちらの方は,まだ日本各地に自生しているようです。

野の端のいにしえ薫る藤袴
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秋の野の花(5)

2010-10-30 18:13:07 | 花,植物
暑かった夏も遠い昔のことになり,
すっかり秋も深まり,冬の気配さえ感じられます。
今年は,短い秋になりそうです。
カメラ片手の散歩で写した秋の雑草,
オオニシキソウ,キツネノマゴ,ツユクサ,
小さな雑草の花ですがよく見るときれいに咲いています。




☆オオニシキソウ
トウダイグサ科ニシキソウ属の一年生草本,
道端などによく見られる草です。
夏から秋にかけて花とは分らないほど小さな白い花をつけます。
よく似た草にコニシキソウがありますか,
コニシキソウが地を這うように横に伸びるのに対し,
縦にも伸び,全体としても大きいのがオオニシキソウです。
この草,日の光にあたると,白と赤と緑がきらきらして,
錦草といわれることが理解できます。


☆キツネノマゴ
キツネノマゴ科キツネノマゴ属の一年生草本,
野原や道端のやや湿った場所に,
8月から10月,茎の先端に穂状花序伸ばし,
唇状の薄紫色の花を咲かせます。
一度にたくさんの花をつけることはなく,
一つの花序に2つ,3つが常に咲いているようです。
10月となると茎葉が成長し,草も大きくなり,
8月に比べ,花が多く咲いているように思えます。




☆ツユクサ(露草)
6月下旬ごろから花が咲いているように思いますが,
露草の名前から想像されるように,秋の花であり,秋の季語になっています。
真っ青な秋空に朝露にちょっぴり濡れた露草の青い花,
梅雨空に咲くより似合うように思います。
この花,形がおもしろく,花弁が3枚です。
2枚はミッキーマウスの両耳のように思える2つの青い花弁,
もう1枚は,ミッキーマウスでいえば口のあたりに白色の花弁があります。
雄蘂は全部で6本,上3本,中1本,下2本と縦に並んでいます。
上3本はきれいな雄蘂ですが,花粉はほとんどありません。
中と下の3本に花粉があり,これが雄蕊の働きをします。
雌蕊は下の2本の雄蕊の間まで伸びています。

上3本のきれいな雄蘂がまず虻や蜂を引き寄せる。
すると昆虫の腹部,尾部が中,下の雄蘂に触れて,そばの雌蘂に受粉させる。
小さな花露草の子孫繁栄のための戦略的な蘂の配置と思われます。
長い間,花を維持するためか,朝寝坊理の虫が嫌いなのか,
昼過ぎには花を閉じてしまいます。

露草のすでに閉じたり昼の雨

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秋明菊(シュウメイギク)

2010-10-29 21:22:27 | 花,植物
その名のとおり,秋に明るく咲く花,
秋明菊(シュウメイギク)のその美しさに思わず眼を奪われてしまいます。


秋明菊とキクの名が付けられていますが,
キク科ではなく,キンポウゲ科アネモネ属の多年草です。
英名はジャパニーズアネモネというそうです。
そういわれれば,ひょろひょろ伸びる花茎そして花,アネモネに似ています。


花色はピンクと白があり,それぞれに一重,八重の花があるようですが,
一重の方がこの花にはよく似合うように思えます。




古くに中国から渡来し,日本の気候にもマッチし,
自生もするようになりました。
京都の貴船地区に多く自生していたので,
貴船菊(キフネギク,キセンギク)の別名があります。
ただし,これはピンクの八重花でした。
これが園芸用に改良され,白花,一重花がつくられたとのことです。
したがって,ピンクの八重花だけが貴船菊とよばれるようです。

見るほどに秋明菊の白さかな
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草珍景

2010-10-28 21:46:56 | 風景


樹ではありません。コンクリートの電信柱です。
蔦に全面覆われ,緑の柱となっています。
近くに他の電信柱もありますが,この一本だけが緑の柱です。
さらに蔦が伸びて,電線に絡まると問題かもしれません。



槍鶏頭が排水溝およびコンクリート舗装の道路に,
こんなにたくさん,それもそれぞれ十分に成長して花をつけています。
道路はしっかりと舗装され,土の存在はほとんど見えません。
そして,雑草など他の草の存在は全くありません。
白いコンクリートに群れて咲く紅い鶏頭花,
無機的でなにか異様に感じられました。
鶏頭はアルカリ性土壌を好むとありますので,
コンクリートのアルカリで特に鶏頭には好条件になった結果かもしれません。
それにしても,鶏頭は強い植物のようです。

昨日,今日と急に寒くなり,晩秋いや冬になったようです。
気がつけば,日の暮れもずいぶんと早くなり,
5時半ともなると,外は真っ暗,
そして,窓から見る街路の木々は色づき始め,
街灯に落ち葉が舞い下りています。

秋寂びてナトリウム灯に灯の匂い
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ハナミズキの実そして紅葉

2010-10-27 17:41:54 | 花,植物
アメリカハナミズキの花を見たのが4月,
それからもう半年が過ぎてしまいました。


そのハナミズキに真っ赤な実がたくさんついています。
葉もすっかり枯れ,ここははやくも晩秋の様子です(10/24)。
こうなるとなにか寂しさを感じます。





ハナミズキは一足早く紅葉となるようで,
周囲がまだ緑色の中,葉がもう赤く染まっていました(10/24)。
しかし,この樹には実がありません。
その代わり,葉がとてもきれいに色づいています。
下は実はついているが紅葉がいまひとつに思えます。
実を見せるもの,葉がきれいに色づくもの2種類あるのでしょうか。

さきがけて紅葉と染まりハナミズキ
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秋の野の花(4),コセンダングサとその仲間

2010-10-26 20:41:41 | 花,植物
秋の野の花(4),コセンダングサとその仲間です。
コセンダングサは葉が樹木の栴檀に似ているのでその名がある
秋の野によく見られる雑草の花です。



☆コセンダングサ
キク科センダングサ属の一年生草本,
晩夏から秋に荒れ地や道路端などに,
筒状花だけの花弁のない地味な頭花を咲かせます。
電車の車窓から外を眺めていると線路端に今一番多い草に思えます。
種がひっつき虫の一つです。


☆アメリカセンダングサ
キク科センダングサ属の一年生草本,
名前が示すように北アメリカよりの帰化植物です。
コセンダングサによく似た花をつけますが,
頭花の下に緑の葉のような総苞が四方に開いているので区別がつきます。
昔はよく見たような気がしますが,最近はコセンダングサに比べ,
少なくなっているように思えます。
在来より帰化植物のほうが少なくなるのは珍しい例でしょうか。
コセンダングサと同じく,種はひっつき虫になります。


☆シロバナセンダングサ
コセンダングサの変種で,白い花びらを持ったものです。
コノシロセンダングサともいわれるようです。
白い花弁の数,大きさがまちまち,花弁の付き方も不揃いで,
かなりいい加減と言えばいい加減な花です。
変種といってもかなりの頻度で発生しているようです。



☆オオバナノセンダングサ
シロバナセンダングサよりずっと大きな白い舌状花を持ちます。
アワユキセンダングサとも呼ばれ,その花は純白に近い白さで,
園芸品種のような美しさです。
熱帯アメリカ原産で日本には沖縄など,南西諸島に帰化しており,
そこでは温暖な気候を反映して一年中見られる雑草の花のようです。
園芸用として本州に持ち込まれているようであり,
写真は公園の花壇に植えられていました。

秋寒や次の舞台へ野々の草
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秋海棠(シュウカイドウ)

2010-10-25 22:26:11 | 花,植物
秋海棠はシュウカイドウ科ベコニア属の中国原産の多年草,
夏の終りから秋にかけて,直径2~3cmの淡紅色の花を咲かせます。
春に咲く,バラ科の木の花,海棠に似ていて,
秋に咲くのでその名があります(写真10/3)。





江戸時代に鑑賞用として渡来していると思われますが,
ベコニアの仲間にしては耐寒性があり,日本の冬でも越冬できるので,
半ば野生化もしており,湿気のある道端などによく自生しています。
淡紅色の花と緑の大きな葉の配色もよく,
下を向いて咲くのも,
海棠の名も,たおやかな東洋の女性を連想させます。
また,その花の姿は金魚にも見えてきました。

秋海棠 玉の中なる金魚かな
金魚田に秋海棠や西の京
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秋の河原

2010-10-24 20:54:27 | 風景
久しぶりに多摩川の河川敷を歩いてみました(10/17)。
セイタカアワダチソウが黄色に染まり,
すすきの穂も白く揺れ,風景はすっかり秋色です。



河原の入り江で家族連れが釣りをしていました。
見ていると,時々小さな銀色の魚体が宙を舞います。
小魚が釣れるようです。
護岸のコンクリート石の隙間にセイタカアワダチソウが何本も伸び,
花を咲かせています。



競技会にでもでるのでしょうか,ユニホーム?を着た犬が,
河川敷の通路で若い女性に訓練を受けていました。
とても賢い犬のようで,人間の言葉がわかり,
飼い主の命令をよく聞きます。
写真は待機の命令に従い,飼い主を追わず座っている姿です。
かわいらしく,よい姿勢です。
秋らしく,背景にセイタカアワダチソウを入れ,写真を撮らせてもらいました。





もう鴨が渡っていると一瞬思い,撮ってみましたが,カルガモでした。
まだ,渡りの鴨はきていないようです。
このカルガモ,ずいぶん人慣れをしていると見え,
2mほどすぐ横で釣りをしている人がいるのですが,
一向に逃げようとしません。
そして,その近くの草原にハクセキレイの姿が見えます。
餌を探して歩みを進めているのでしょうか,
自然な姿,自然な表情が撮れました。

軽鴨のただ一羽をり秋の川
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臭木,牡丹臭木

2010-10-22 21:46:32 | 花,植物
秋が深まってきました。ふと眼をやると,
ついこの間まで花をつけていた臭木に,



金属光沢のきれいな青い実がたくさんついています。
夏の終りから秋の初め,白い花に紅い顎がきれいな臭木ですが,
実もとてもきれいな色をしています。



臭木は夏の終わり頃から花を咲かせますが,
比較的長い間花が咲き続くようです。
写真は9月末の臭木の花,
萼の紅色が花より美しく思えます。



暑い盛りの頃から10月の初旬まで,
住宅街のせまい裏道,民家のブロック塀に接して,
大きな葉の低木に美しい花が
散っては次ぎの花と,咲き続けていました。
紅色の小花の集合花で,下野や紫陽花のような形をしています。
そばによるととてもよい芳香のある花でした。
その花牡丹臭木(ボタンクサギ)であると知りました。
花自体はあまり似ていると思えませんが,
この牡丹臭木,臭木と同じく,クマツヅラ科クサギ属の植物,
花のよい香り,葉が臭いところはよく似ています。

秋深く青美しき臭木の実
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杜鵑草(ホトトギス)

2010-10-21 22:28:31 | 花,植物
杜鵑草は花びらの斑点が鳥のホトトギスの腹部の模様に
似ているのでそのままホトトギスの名が付けられています。
林下や崖地,傾斜地など日当たりのあまりよくない場所に自生するユリ科の多年草です。
世界で東アジアのみに分布しており,
19種確認されているうちの10種が日本の固有の種だそうです。
それからすると,ホトトギスは日本の花といえるかもしれません。
ホトトギス,ヤマホトトギス,キバナホトトギスの名をよく聞きます。



写真は自然公園の水辺に咲いていた紫色のタイワンホトトギス,
タイワンホトトギスは台湾や南西諸島に自生しているホトトギス,
比較的強健なので,現在,園芸用として見られるものの多くはこのホトトギス,
あるいはこの交雑種とのことです。



これもタイワンホトトギスでしょうか,ピンク色の花がきれいです。



葉はホトトギスですが,花にホトトギスの特徴である斑点がありません。
しかし,ホトトギスなのです。
その名もそのままシロバナホトトギス,
ホトトギスの変種だそうです。

斑紋の水面に揺れて杜鵑草
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