一言、云いたいね

社会の状況を見て一言云わせて貰う

厚生年金基金の廃止はいいが、積立不足を何故、保険料で償うの?

2012-10-29 05:26:43 | 日記

新聞報道に「厚年基金、10年で廃止 損失は保険料で穴埋めへ 」という記事が載っていた。制度の廃止については、現状に合わなくなったということから仕方のないことだが、損失の穴埋めを何故保険料からされるのか。そもそも、多くの赤字が出ている厚生年金基金の殆どが「総合型」と言われる基金である。「総合型」とは、業界団体、工業団地、などの中小企業が集まって作られた厚生年金基金を言うのである。そして、その多くの基金には厚生労働省から天下った人間が常務理事、専務理事などの役職についている、という仕組みである。彼ら天下り役員が行った投資により多くの損失を発生させてしまった基金は、にっちもさっちもいかなくなった。

基金には「連合型」「単独型」と言われるものがあるが、これらの殆どの基金は、企業単独又はグループ企業で構成され、その企業の内部から出向、転籍などにより役員や職員が派遣されて運営している。従って、多くの基金は、企業内の金融の専門家や外部の専門機関のアドバイスを受け、それを基に投資を行っており、損失があったとしても企業間の支出で賄っているのが現状である。責任体制は、「連合型」「単独型」は厳しくチェックされているため「総合型」と違って、いい加減なことはできない。企業においては、基金の全ての数値が財務諸表に影響するので、監査役などからも厳しく」追及され、しっかりした管理がなされている。

今回の「総合型」基金の損失を、サラリーマンが支払った保険料から何故賄わなければならないのか。本来厚生労働省の役人の不始末から起きたことではないのか。これに関しては全く納得ができない。賄うとしたら、厚生労働省の役人がすべきではないか。厚生年金の保険料から支出するのであれば、少なくとも共済年金の保険料からも支出しなければおかしい。役人の不始末を、一般人に求めること自体おかしいのである。

厚生年金基金制度を作った本来の目的は、厚生年金を補完する意味合いを持たせていたはずだ。もし、このまま厚生年金基金を廃止するとしたら、中小企業に働いている人たちは、現在の厚生年金だけで生活しなければならなくなる。中小企業の従業員たちが単独で厚生年金保険を補完するものを行うのは極めて難しい。証券会社、信託銀行、郵貯銀行などが宣伝している投資信託は、素人が手を出すには危険負担が極めて大きい。そうでなくても、将来貰える厚生年金が今よりも決して多くならないことを考えると、中小企業、零細企業に勤める従業員たちは、生活の基盤をどこに求めたらいいのだろうか。

この問題、政権が自民党に移ったとしても簡単に解決することは難しいだろう。そもそも、厚生年金基金制度を作ったのは自民党だからだ。生活の基盤にかかわる問題なので、しっかりと健闘してほしい。

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