日本人は痛みを共有できないのか

大震災が発生したときに、日本中から援助の手が差し伸べられた。その後復興、復旧の話が出てきたとたん、何か歯車が狂ってしまった。それまでは「絆」と言う気持ちがあったのかもしれないが、どういうわけか「プッツン」してしまった。小生のブログにもガレキの件に関して反対の人が意見を述べている。
どこの国にも事件や事故、大災害が起きる。その時の国民の行動が、国によって異なるのはどうしても仕方がないこと。しかし、多くの国民は自国の困った人たちを何とかしようと言う考え方が出てくる。日本の場合も大災害発生時には多くの人たちが手を差し伸べている。問題はその後である。後片付けをしなければ被災地は動きが取れない。それが済むまでは被災者の生活が元に取り戻せない。ここで手を差し伸べないで、どうして逃げてしまうのだろうか。
小生は何度でも書く。ガレキの処理が進まなければ、被災地の復興や復旧は簡単に出来ない。あのガレキがつみあがったままでどうして復旧や復興が出来るのか。小生のブログで「テレビの見すぎ」と指摘されたが、テレビや新聞などで報道されている部分が臭いが全くないからいいが、現地ではガレキから発生する臭いで大変困っている。そして蠅の発生が極めて多いということ。衛生的に見ても問題が起きなければいいのだが。これから段々暖かくなってくれば、食品衛生の問題が出てきてしまう。
最近になって漸くガレキを積極的に受け入れてくれる自治体が出てきた。放射性物質を含まないものを出す、といっているのにどうして反対するのか、全く理解に苦しむ。自然界には放射線が既に存在している。人間だけでなく生物総てに自然放射線を浴びているのである。その範囲内であれば全く問題ないはずなのだが、市民の中には、異常な反応を示している人たちがいる。反対して何を狙っているのかよく解らない。何らかの意図が在るのかもしれないが、同じ日本人の痛みを共有できない人たちがいることに何か不信感を感じる。
小生が住んでいる自治体でも、自治体の長はガレキ受け入れを賛成しているのだが、ある政治団体は放射能にかこつけて反対運動を繰り広げている。自治体の長は放射能を含まない（自然界のものは別にして）ガレキの受け入れを提案したのだが、何故か反対運動を繰り広げられている人たちだけの声が広がっていってしまった。放射能が含んでいない、といっているのにどうしてなのか不思議でならない。
痛みを共有できない人たちに一体何を伝えれば納得できるのか。要はガレキを受け入れて欲しくない、と言うことなのだろう。ガレキで困っている人たちが勝手に自分たちで処理をしろ、と言うことに違いない。冷たい国民の集まりだと思う。これが日本人の「絆」と言う意味なのだろうか。