橋下氏が提唱する船中八策なるもの、総てが受け入れられるわけではない。小生は、その中で2つばかり問題点を挙げたい。1つは、年金制度の解体、2つ目は相続税の控除撤廃、である。
年金制度については色々な問題点があることは事実であり、根本的に改定しないといけないかもしれない。しかし、この制度を基本的に解体して、別の制度にすることは不可能であり、現実的ではない。年金制度は老齢者の生活の基本であり、世界の殆んどの国でこの制度が実施されている。勿論その内容は様々で、上から下まであることも事実である。この制度を現在から将来にわたって維持できるものに変えるには、相当の時間が必要となる。現在賦課方式になっているものを積立方式に変更しなければならないからだ。どのように制度を変更していくかは、これから検討しなければならないが、制度変更に伴ってどの世代にも痛みが出てくる。日本人の総ての世代に痛みを受け入れることが必要なのである。特に、現在受給している年金世代よりも、これから受給しようとしている40歳代以降の人たちには、痛みが極めて大きい。
日本以外で基本的な制度変更を実施した国は殆んどない。国の形態が変わっても年金制度はそれほど変らない。現在受給している世代にも当然痛みがある。恐らく、20%以上の減額をしていくことになるだろう。しかし、若い人たちの事を考えると、このくらいの痛みは受けなければならない。
もう一つは相続税の控除撤廃である。現在、相続財産に対しては、基礎控除があり、庶民が相続財産を相続する場合にはほとんど相続税がかからない仕組みになっている。庶民にとっての相続財産とは、殆んどは住居になる。所謂住まいであり、これに対して相続税が多額になれば、これを処分して相続税の支払をしなければならなくなる。船中八策では、相続による財産の継続をなくし、資産保持を平等にしようという考え方に基づいている。不動産の相続を「死」によって一度閉鎖して、再び始めるときには、自分でその財産を新たに取得する。確かに一理在るが、果たして庶民の生活がこれで成り立つのだろうか。
家族と平和な形で過ごすための住まいを次の世代のときに、取得できなければ、どのようにすればいいのか。総ての人間は平等でなければならない、という基本理念の基に考えられたことかもしれないが、どうも納得し難い。生活の基盤を継続できない政策では今の若い世代が果たしてこの政策を支持するのだろうか。
年金制度については色々な問題点があることは事実であり、根本的に改定しないといけないかもしれない。しかし、この制度を基本的に解体して、別の制度にすることは不可能であり、現実的ではない。年金制度は老齢者の生活の基本であり、世界の殆んどの国でこの制度が実施されている。勿論その内容は様々で、上から下まであることも事実である。この制度を現在から将来にわたって維持できるものに変えるには、相当の時間が必要となる。現在賦課方式になっているものを積立方式に変更しなければならないからだ。どのように制度を変更していくかは、これから検討しなければならないが、制度変更に伴ってどの世代にも痛みが出てくる。日本人の総ての世代に痛みを受け入れることが必要なのである。特に、現在受給している年金世代よりも、これから受給しようとしている40歳代以降の人たちには、痛みが極めて大きい。
日本以外で基本的な制度変更を実施した国は殆んどない。国の形態が変わっても年金制度はそれほど変らない。現在受給している世代にも当然痛みがある。恐らく、20%以上の減額をしていくことになるだろう。しかし、若い人たちの事を考えると、このくらいの痛みは受けなければならない。
もう一つは相続税の控除撤廃である。現在、相続財産に対しては、基礎控除があり、庶民が相続財産を相続する場合にはほとんど相続税がかからない仕組みになっている。庶民にとっての相続財産とは、殆んどは住居になる。所謂住まいであり、これに対して相続税が多額になれば、これを処分して相続税の支払をしなければならなくなる。船中八策では、相続による財産の継続をなくし、資産保持を平等にしようという考え方に基づいている。不動産の相続を「死」によって一度閉鎖して、再び始めるときには、自分でその財産を新たに取得する。確かに一理在るが、果たして庶民の生活がこれで成り立つのだろうか。
家族と平和な形で過ごすための住まいを次の世代のときに、取得できなければ、どのようにすればいいのか。総ての人間は平等でなければならない、という基本理念の基に考えられたことかもしれないが、どうも納得し難い。生活の基盤を継続できない政策では今の若い世代が果たしてこの政策を支持するのだろうか。