知り合いの娘さんは、小学校でずっと陸上をやってきて、この春入学した中学校でも陸上部に入ることを楽しみにしていました。ところが、入学式の日、思いも寄らない事態が。なんと、この春で陸上部の新入生は入れないことにしたと学校から知らされたのだとか。つまり、現2年生が卒業したら陸上部は廃止するということです。陸上部だけでなく、いくつかの部活動も同じ憂き目にあっているそうです。
この問題は、「中学校の部活動でも少子化の影響が広がりつつある」と地元新聞のコラムでも取り上げられていましたが、確かに、生徒が減っていく中で、学校数だけでなく、部活動の数も減らしていかなければならないというのも理解はできます。
ただ、通う学校はほとんど自分で選べない(青森では)のと違って、部活動は子どもたちが選択することができる数少ない活動です。その選択肢をせばめてしまうのは、何ともやるせない。しかも今回の場合は、事前に何のお知らせもなく、入学式当日にいきなり発表したために混乱を招いたということのようです。学校や教委、ひいては行政には、けっこうこの手のやり方が多い。「当事者」であるはずの生徒や保護者、地域住民にとってはまさに寝耳に水というパターンです。青森市の学校統廃合・学区再編問題も、また今県教委が進めている高校の廃校問題にしても、もっと早くから見通しを示しながら進めるべきではないのかと思います。
それはそうと、中学校の部活動については、子どもたちの選択肢を減らさないという意味においても、そろそろ「学校」と切り離して考えてみてもいいのではないかと思います。いや、やはり「学校の先生」が部活動の顧問や監督として生徒を見ることは大事だ─その考えはよくわかります。
子どもたちにとっても、クラスとは別の友人関係、先輩・後輩関係を持つことは大切だ─それもよーくわかります。でも、そのことに固執するあまり、結局、子どもたちがやりたいスポーツや文化活動ができなくなってしまったら、本末転倒になりはしないか。子どもの数がこれからもどんどん減っていく、それに伴って部活動の顧問となる教員の数も減っていくことは、確かなのですから。
以前、文部科学省が「地域総合スポーツクラブ」の設置をさかんに呼び掛けていた頃、ドイツのスポーツクラブの様子を紹介するビデオを見たことがありました。たとえば、ある地域のサッカークラブ。そこには、夕方になると、大人も子どもも一緒にサッカーを楽しむ姿が映し出されていました。さらに驚いたのは、「大人」の中には、プロのチームもいるということ。さすがにふだん小学生と一緒に練習することはないようでしたが、同じ「クラブ」に所属しているので、プロが小学生に指導する場面も珍しくはないという。
この例はあまりにも日本の現実とかけ離れているなという印象を当時は持ちましたが、「プロ選手」はともかく、大人と子どもが一緒に楽しむ、というコンセプト自体は、文科省の構想にもありましたし、実際そのようなクラブを設置しているところもあります。ただし、学校の「部活動」そのものを廃止しているわけではなく、地域のスポーツクラブと「連動」させているという形のようです。むろん、土日は「部活動」ではなく、「スポーツクラブ」としての活動になるので、土日まで学校の先生を駆り出す必要はありません。今でも学校の先生が顧問として休日に部活動を指導しても、「手当」はほとんどつかないわけで、逆に、たとえばスポーツクラブのメンバーとして、「学校」の枠組みを超えて子どもたちに教えるという形の方が、「自由」でいいかもしれない。
学校の枠組みと言えば、子どもたちにとっても、学校を超えて新しいつながりができる。子どもたち同士はもちろん、地域のいろいろな「大人」との関わりは、子どもたちにとって大きな財産となるのではないでしょうか。
いずれにしても、大人の側に、「何でもかんでも学校で」という発想の「一大転換」が求められることは確かですね。そして、いずれ、そういう必要に迫られることもまた確かなような気がします。
結局、知り合いの娘さんは「バレー部」を選んだそうです。陸上をやりたかった気持ち、そしてそれに答えてやれなかった大人社会の事情を考えると、本当にかわいそうな気がしますが、ここは心機一転、陸上で培った脚力とバネを生かして、エースアタッカーを目指してほしいですね。
この問題は、「中学校の部活動でも少子化の影響が広がりつつある」と地元新聞のコラムでも取り上げられていましたが、確かに、生徒が減っていく中で、学校数だけでなく、部活動の数も減らしていかなければならないというのも理解はできます。
ただ、通う学校はほとんど自分で選べない(青森では)のと違って、部活動は子どもたちが選択することができる数少ない活動です。その選択肢をせばめてしまうのは、何ともやるせない。しかも今回の場合は、事前に何のお知らせもなく、入学式当日にいきなり発表したために混乱を招いたということのようです。学校や教委、ひいては行政には、けっこうこの手のやり方が多い。「当事者」であるはずの生徒や保護者、地域住民にとってはまさに寝耳に水というパターンです。青森市の学校統廃合・学区再編問題も、また今県教委が進めている高校の廃校問題にしても、もっと早くから見通しを示しながら進めるべきではないのかと思います。
それはそうと、中学校の部活動については、子どもたちの選択肢を減らさないという意味においても、そろそろ「学校」と切り離して考えてみてもいいのではないかと思います。いや、やはり「学校の先生」が部活動の顧問や監督として生徒を見ることは大事だ─その考えはよくわかります。
子どもたちにとっても、クラスとは別の友人関係、先輩・後輩関係を持つことは大切だ─それもよーくわかります。でも、そのことに固執するあまり、結局、子どもたちがやりたいスポーツや文化活動ができなくなってしまったら、本末転倒になりはしないか。子どもの数がこれからもどんどん減っていく、それに伴って部活動の顧問となる教員の数も減っていくことは、確かなのですから。
以前、文部科学省が「地域総合スポーツクラブ」の設置をさかんに呼び掛けていた頃、ドイツのスポーツクラブの様子を紹介するビデオを見たことがありました。たとえば、ある地域のサッカークラブ。そこには、夕方になると、大人も子どもも一緒にサッカーを楽しむ姿が映し出されていました。さらに驚いたのは、「大人」の中には、プロのチームもいるということ。さすがにふだん小学生と一緒に練習することはないようでしたが、同じ「クラブ」に所属しているので、プロが小学生に指導する場面も珍しくはないという。
この例はあまりにも日本の現実とかけ離れているなという印象を当時は持ちましたが、「プロ選手」はともかく、大人と子どもが一緒に楽しむ、というコンセプト自体は、文科省の構想にもありましたし、実際そのようなクラブを設置しているところもあります。ただし、学校の「部活動」そのものを廃止しているわけではなく、地域のスポーツクラブと「連動」させているという形のようです。むろん、土日は「部活動」ではなく、「スポーツクラブ」としての活動になるので、土日まで学校の先生を駆り出す必要はありません。今でも学校の先生が顧問として休日に部活動を指導しても、「手当」はほとんどつかないわけで、逆に、たとえばスポーツクラブのメンバーとして、「学校」の枠組みを超えて子どもたちに教えるという形の方が、「自由」でいいかもしれない。
学校の枠組みと言えば、子どもたちにとっても、学校を超えて新しいつながりができる。子どもたち同士はもちろん、地域のいろいろな「大人」との関わりは、子どもたちにとって大きな財産となるのではないでしょうか。
いずれにしても、大人の側に、「何でもかんでも学校で」という発想の「一大転換」が求められることは確かですね。そして、いずれ、そういう必要に迫られることもまた確かなような気がします。
結局、知り合いの娘さんは「バレー部」を選んだそうです。陸上をやりたかった気持ち、そしてそれに答えてやれなかった大人社会の事情を考えると、本当にかわいそうな気がしますが、ここは心機一転、陸上で培った脚力とバネを生かして、エースアタッカーを目指してほしいですね。
学校の部活の種類は、確かに少子化に伴って少なくなってしまったけれど…。
地域主催のスポーツクラブがありまして。
そこには学校の部活にはないスポーツも数種類あります。
お年寄りや小学校低学年でも参加できるものもあるんです。
長女は小学校のときから地域のバレーボールクラブに参加していて、
中学校でもバレーボールを続けたいと。
でも、娘が通う中学校にはバレーボール部がありませんでした。
そこで、入学説明会で当時の副校長先生に、是非バレー部を作ってもらえないか、と相談してみたんです。
話し合ってみます、と言ってくれて、入学したらバレー部ができてたんですよ!
意見は言ってみるもんなんだなあと思いました。
長女はもちろん入部しました。
しましたが…
メンバーと折り合いが悪かったようで…
1年と持たずに辞めてしまいました。
で、結局今テニス部にいるんですがね(^^;
うちの子はそんな結果になってしまいましたが、
大人が子どもの声を聞くということは、子どもの将来に希望が見えてきますね。
理由は、顧問の先生になり手がいないからだという。
ショックを受けた部員達は、校長先生に直訴した所、自分達で顧問の先生を見つけなさいと言われ、職員室で、全員の先生に頭を下げて頼んだが、断られた。
さすがに、父母が動き出し、その年に限り、嫌々顧問を引き受けてくれた先生が現れました。
独身の若いバスケットを何も知らない、女性の教師でした。
そんな先生が、面倒を見られるはずも無く、責任一切を背負った、バスケット部の部長になった生徒は、登校拒否になってしまいました。
これって、教育でしょうか?
コメントありがとうございます。
部活動をめぐる体験、様々ですね。
それだけにその「あり方」を変えるのはむずかしいのかもしれませんね。いずれにしても、子どもたちにとって、大人になった時に、社会人になった時に生かせるような体験になれば…と思います。
①偶然、通りかかりました。初投稿です。映画=最高芸術論者です。世界史分野では「DVD映画で楽しむ世界史」(青弓社)持っています。西洋史偏重・東洋史軽視が不満です。映画のサイトを見ていたら本ブログにヒットしました。
②私も半世紀近く前、バスケを中学の部活で楽しんでいました。体育館もない土のコートで夕日の中を走り回っていました。顧問の先生はいましたが、生徒の自主運営でした。気が付いたら1500m9分近くムービーだったのが1年間で5分40秒台となりました。頭の血流も良くなり高速回転ができるようになり勉強も学年トップレベルになってしまった。青森県でいうと「県立青森高校」にも合格できました。性格もアングロサクソン系の親英語文化圏に浸る「攻撃型人格」となりました。
③しかし、長所即欠点。12年後、バスケの後遺症か、腰を痛め一時歩けなくなりました。リハビリ中に偶然ヨーガと出会い水泳等のおかげで走れるようになりました。私のようにバスケ部の生徒さんがならないよう、成長期のスポーツ障害を防止すべく現在コーチ見習い中です。AED使用方法やテーピング講習、給水方法等もクリアー。現在、ジャバの公認コーチ講座の予習中です。
④漫画「スラムダンク」のなかに出てくる安藤先生に似ていると生徒にいわれていますが、まだ「スラムダンク」を読んだことがありません。バスケは好きですが、思いは複雑です。欧米列強に対応したシンキング・イングリッシュによる優勝劣敗の二元価値的人格形成を行ったマイナス面を思うと、自分にないものを求めるのでしょうか、フィンランド・メソッド等の多文化共生教育の必要性を痛感しています。生徒さんには敗因を他人や社会のせいにせず、伝統的な克己鍛錬の精神力尊重及びヨーガの呼吸法を伝えられればと思っています。本来、学校スリム化を推進すべきですが、生徒指導の一環としての部活動をおこなうのも現実的な解法のようです。総合地域クラブやスイミングスクール等に通っている生徒もおりますが、全面的に欧米列強のように部活動ではなく地域スポーツクラブに進化?することは難しいです。小説「走れ!T校バスケット部」の世界が本邦学校文化の現実です。
コメントありがとうございます。
ヨーガはいいらしいですね。インドはやはり奥深いものがあります。日本もこれからはアジアのよいところをもっと取り入れていくべきですね。