goo blog サービス終了のお知らせ 

カクレマショウ

やっぴBLOG

ミステリーな青森─青池の「無」の世界

2008-05-24 | ■青森県
四川大地震では、各地で大規模な土砂崩れが発生し、川がせき止められていくつもの「地震湖」が形成されているといいます。自然の圧倒的なパワーをつくづく感じます。「山をも揺るがす」というのは決して比喩の世界だけでなく、実際にそういうことが起こるのが恐ろしくもあります。

青森県にも、300年ほど前の大地震でできたと言われている湖沼群があります。世界遺産・白神山地の一角にひっそりとたたずむ十二湖です。その名も「崩山(くずれやま)」と呼ばれる山の崩落により、ブナの原生林を縫って流れる豊かな水がせき止められてできた、それこそ「地震湖」です。

ちなみに、青森県には、津軽半島の西側に「十三湖」という湖もありますが、こちらはアイヌ語に由来する「十三湊(とさみなと)」から付けられた名前で、「12」「13」という数字の連続性はまったく意味がありません。

十二湖の方は、それでも「12」という数字には意味があって、一般には、崩山から見える湖の数が12個なのでその名がついたと言われています。ただし、実際には湖沼の数はもっと多くて、300平方メートルほどの小さな「池」から、5万平方キロメートルを超えるものまで、約30。そのうち、面積が1万平方メートル以上の湖の数も12個というのも、なんだか不思議な偶然です。

十二湖の湖沼群は、ブナの森が作り出す、いわば自然の浄化装置のおかげで、透明度が高い湖が多いのですが、中でも、もっとも神秘的な美しさを誇るのが「青池」です。

青池は、その名のとおり、池が「青く」見えるのです。透明な青。「インクをたらしたような」とよく形容されますが、まさにそんな感じ。「青」というより「ブルー」と表現した方がふさわしいのかもしれません。

975平方メートルと、決して大きな池ではありません。深さも9m程度。でもその透明度は他の湖沼と比べても群を抜いています。池の真ん中に、大きな倒木が沈んでいるのが見えます。その幹の周りも、ブルーな透明な水。

20年ほど前に初めて見た時は、あまりにも神秘的な雰囲気に、なんとなく背中にぞっとするものさえ感じたものでした。今は、青池全体を見渡せるちょうどいい位置に観覧台も設けられていて、白神が世界遺産に指定(1993年)されてからは、観光客も増えているようです。昔は、池のほとりまでも降りて行けたような気がしますが、あの美しさを守るためには、人が無闇に池に「触れる」ことも防いでいかなければならないのでしょう。そういえば、かつては青池のすぐ近くまで車で行けたと思うのですが、今は車の乗り入れが制限されていて、ずっと手前の駐車場から5分ほど歩かなければなりません。ま、そのくらいは当たり前のことですね。

他県からの観光バスのガイドさんに、ある観光客が「どうしてこんなに青く見えるのですか」と、誰もが抱く当然の質問を投げかけていました。たまたまその傍らにいた私も、期待に胸をふくらませて返事を待っていると、そのバスガイドさん、「よくわかってないんですよ」とあっさり答えていました。「おいおい」と思わずつっこみたくもなりましたが、でも確かにそれはそのとおりで、なぜ青池がこれほどブルーに見えるのか、いまだに明快な理由は判明していないのだとか。



青池は、ブナやカツラといった広葉樹林にびっしり囲まれています。その木々の間をすり抜けるように太陽の光が差し込んでくる。その「光の入り具合」と「池の深さ」のバランスが、あの神秘的なブルーを生み出しているのでしょう。うん、きっとそうだ。でなけりゃ、役場の職員が毎朝青インクを垂らしに通ってくるとか。今日は私が「青池当番」なので…。

冗談はさておき、透明な池というのは、見ていると本当に吸い込まれそうな錯覚に陥ります。特に青池のように「透明なブルー」はいけない。「無」を予感させる。映画「グラン・ブルー」でも、最後は、とびきり深い透明な青の中に、静寂な「無」の中に吸い込まれていきました。

「無」と言えば、ブナって漢字で書くと、木偏に「無」。ブナの木に抱かれた青池がブルーなのは、そういうわけなのかもしれません。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。