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カクレマショウ

やっぴBLOG

漫才の楽しさ

2007-12-23 | ■その他
M-1グランプリ。久しぶりに、「漫才」の面白さを満喫しました。最近のお笑いは、ピンで芸能界ネタとか「変な人」ネタみたいなのばっかりで辟易していたのですが、今回、ハイレベルの漫才を見て、やっぱりお笑いの基本は漫才なんだろうなとつくづく感じました。

「漫才」というのは、もともと「万歳」で、一万歳つまり永久に栄えますようにという願いを込めた祝言がその起源なのだそうです。今のような寄席演芸としての「漫才」になったのは、昭和初期、1930年代頃なのだとか。落語に比べれば演芸としての歴史は浅いけれど、漫才には「単純に」しゃべりの面白さ、二人の掛け合いの楽しさを感じることができますね。

「二人」と書きましたが、漫才は、本来は「二人一組」が基本。「ボケ」が一人と「ツッコミ」が一人。コミュニケーションの最少人数だからこそ、芸にも深みが出るのでしょう。もっとも、私の好きな「プラン9」は、5人で漫才をするという挑戦もしています。あれはあれで面白い。「ツッコミ」が一人で、あとの4人が「ボケ」をやるわけですが、全員の個性が光っているので、4種類の漫才をいっぺんに見せられているような錯覚に陥ります。

最近は、漫才と「コント」のボーダラインがますます見えにくくなってきているのかもしれません。「コント」は、もともと芝居の延長上にあったもので、扮装や小道具にもそれぞれ趣向が凝らされます。これに対して、漫才はあくまでもしゃべりの応酬のみで笑わせる芸。…だと思っていたのですが。

今日、「最終ファイナル」に勝ち残った3組は、そういう意味で本当に「しゃべり」「掛け合い」の面白さを堪能させてくれました。「キングコング」は、売れっ子芸人の例に漏れず、漫才以外の場での活躍が多いのですが、自分たちの原点はやはり漫才、という意気込みがすばらしい。しゃべりのほかに、この二人は「動き」でも笑わせてくれますね。

「トータルテンボス」がふりまく笑いのツボも面白い。ツッコミのアフロヘアの方も、時々ボケ的なことをボソッと言うのが効いていました。そして、本来決勝に勝ち残れず、敗者復活で登場した「サンドウィッチマン」。見た目あっち系のツッコミと、ヌーボーとしたボケ。この二人のやりとりは、計算され尽くしていましたね。でもその「計算」の部分をステージの上ではほとんど見せないところがすごいと思いました。だから、見ている人は、余計なことを考えずに思いっきり笑えるのです。私自身、今日の出場者の中で一番笑わせてもらったのは、名前も顔も初めて見る、体型がよく似たこの二人組でした。

「キングコング」と「トータルテンボス」が、今日のネタ二つどちらも似通った設定だったのに対して、「サンドウイッチマン」の場合、ちょっと変わっていたことも勝敗の分かれ目の一つかなと思いました。「いつも同じ」というのは、お笑いを見る側にとっては、確かに安心感があります。来るぞ来るぞとわかっていながら来たときの面白さですね。ただし、今日のように「コンクール」の場では、二つネタを出すなら少しでも設定を変えてくれた方が効果的なのかもしれません。

審査員を務めるのは、この大会の主唱者でもある島田紳助、松本人志をはじめ、漫才界、お笑い界の大御所の面々。彼らのコメントも暖かくてとてもよかったと思います。ファイナルのあとのコメントがもっと聞きたかったですね。

 

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