前にも書きましたが、100s(ヒャクシキ)のボーカル、中村一義の歌は、歌詞がほんとに聴き取りにくい。
たとえば、100sとしてのセカンドシングル、「Honeycom.ware」という曲。
こちらのサイトでは、歌詞を見ないで、聞こえたまま歌詞を書き取るというすごく面白いことをされています。確かにこんなふうに聞こえる。
月光 月光上の巣 レイナ
光るメリージーザス
月光 月光上の巣 レイナ
光るプール
ところがどっこい、歌詞を見ると、まったく違う言葉が並んでいてひどく驚かされるのです。正しい歌詞は次の通り。
爆音。爆音ゾーンの末、憂いな。
光る眼にジーザス。
爆音。爆音ゾーンの末、憂いな。
光るブルース。
何度聞いても「げっこう」(せいぜい「べっこう」)としか聞こえないのですが、実は「爆音」(ばくおん)だったとは!
こういう歌い方、中村一義はきっとわざとやってるんですね。聴いている人を煙に巻くかのように…。
いや、でも、この曲はいい。耳に残るメロディ。聞き取りが難しい異次元の歌詞。100s、というより中村一義らしい一曲です。
最近のお気に入りは、「世界のフラワーロード」という最新アルバムの最後の曲。その名も「空い赤」。同アルバムに収められている「モノアイ」と両A面でシングルカットされています。
この2曲、「ウルトラミラクルラブストーリー」の横浜聡子監督が、麻生久美子と組んでPVを作っています。そもそも、このアルバムのPVはすべて中村一義の地元にある商店街「フラワーロード」を舞台として撮影されているのですが、なかでもこの2曲のPVは出色の出来映えです。「そりゃそうだ」で犬を連れた白人男性が商店街の路上でひたすらくねくね踊っている(ぜんぜん曲に踊りが合っているわけではない)PVもなかなか楽しいですけど。
麻生久美子は、「モノアイ」でとてもいい表情をしていますが、こちらのPVは完全にフラワーロードの商店街が主役。中村一義の子どもの頃の思い出がたくさん詰まったフラワーロードの思い出を、横浜監督が丁寧に切り取って見せてくれています。
で、「空い赤」。出だしは静かに、語るように始まる。
心の距離をあらかじめ持って、
涙の波を、いつかはこえてゆく。
さぁ、だから、笑顔でいつも乗り切ってゆく。
さぁ、だから、ここらで「はじまり」だ。
あの頃のオレに問いかける。
「まぁ、聞きなよ。」って、
背中、押す声だけ。
「心の距離」ってなんかいい言葉ですね。「まぁ、聞きなよ。」ってのも中村一義らしいフレーズ。
最後のほうには、こんなしびれる歌詞もあります。
飾らない何も。これ、オレの風景。
のぞまない何も。自分を生き通すだけ。
「オレの風景」か! …いいですね、この言葉も。「オレの風景」を持って、「自分を生き通す」ことができさえしたら。
「はじまり」という言葉も中村一義の歌にはよく登場してきて、好きなんですが、「はじまる」ためには、たいていの場合、「さよなら」もしなくちゃいけないわけで、そのへんのナイーブさが、彼の歌声に本当にうまく溶け込んでいるなあと、いつもじ~んとしてしまうのです。
さぁ、だから、笑顔でいつも乗り切ってゆく。
さぁ、だから、ここらで「さよなら」だ。
で、この歌に、麻生久美子主演!の映像がものすごくマッチしている。
バスから降りてくる麻生久美子。心の傷を抱えているかのように、表情は暗い。橋の下の空き地で、彼女は赤い風船を見つける。そして、出会った一人の少女。お互い引かれるように見つめ合う二人。その周りでは男の子たちが戦争ごっこに興じている。彼女は、手にしたおもちゃの銃で少女を撃つ。ばったり倒れた少女は、いつのまにかフラワーロードの路上に倒れる彼女自身の姿に変わる。そう、少女は彼女自身…。彼女は目を覚ますと、すっくと立ち上がり、歩き始める。
少女が握っていた赤い風船は、悠々と空に舞い昇っていく。「空い赤」は、フラワーロードのアーケードの上を、どこまでも飛んでいく。その風船をじっと見つめて、思わずジャンプする男の子、それが中村一義なのでしょうね。
「世界のフラワーロード」≫Amazon.co.jp
たとえば、100sとしてのセカンドシングル、「Honeycom.ware」という曲。
こちらのサイトでは、歌詞を見ないで、聞こえたまま歌詞を書き取るというすごく面白いことをされています。確かにこんなふうに聞こえる。
月光 月光上の巣 レイナ
光るメリージーザス
月光 月光上の巣 レイナ
光るプール
ところがどっこい、歌詞を見ると、まったく違う言葉が並んでいてひどく驚かされるのです。正しい歌詞は次の通り。
爆音。爆音ゾーンの末、憂いな。
光る眼にジーザス。
爆音。爆音ゾーンの末、憂いな。
光るブルース。
何度聞いても「げっこう」(せいぜい「べっこう」)としか聞こえないのですが、実は「爆音」(ばくおん)だったとは!
こういう歌い方、中村一義はきっとわざとやってるんですね。聴いている人を煙に巻くかのように…。
いや、でも、この曲はいい。耳に残るメロディ。聞き取りが難しい異次元の歌詞。100s、というより中村一義らしい一曲です。
最近のお気に入りは、「世界のフラワーロード」という最新アルバムの最後の曲。その名も「空い赤」。同アルバムに収められている「モノアイ」と両A面でシングルカットされています。
この2曲、「ウルトラミラクルラブストーリー」の横浜聡子監督が、麻生久美子と組んでPVを作っています。そもそも、このアルバムのPVはすべて中村一義の地元にある商店街「フラワーロード」を舞台として撮影されているのですが、なかでもこの2曲のPVは出色の出来映えです。「そりゃそうだ」で犬を連れた白人男性が商店街の路上でひたすらくねくね踊っている(ぜんぜん曲に踊りが合っているわけではない)PVもなかなか楽しいですけど。
麻生久美子は、「モノアイ」でとてもいい表情をしていますが、こちらのPVは完全にフラワーロードの商店街が主役。中村一義の子どもの頃の思い出がたくさん詰まったフラワーロードの思い出を、横浜監督が丁寧に切り取って見せてくれています。
で、「空い赤」。出だしは静かに、語るように始まる。
心の距離をあらかじめ持って、
涙の波を、いつかはこえてゆく。
さぁ、だから、笑顔でいつも乗り切ってゆく。
さぁ、だから、ここらで「はじまり」だ。
あの頃のオレに問いかける。
「まぁ、聞きなよ。」って、
背中、押す声だけ。
「心の距離」ってなんかいい言葉ですね。「まぁ、聞きなよ。」ってのも中村一義らしいフレーズ。
最後のほうには、こんなしびれる歌詞もあります。
飾らない何も。これ、オレの風景。
のぞまない何も。自分を生き通すだけ。
「オレの風景」か! …いいですね、この言葉も。「オレの風景」を持って、「自分を生き通す」ことができさえしたら。
「はじまり」という言葉も中村一義の歌にはよく登場してきて、好きなんですが、「はじまる」ためには、たいていの場合、「さよなら」もしなくちゃいけないわけで、そのへんのナイーブさが、彼の歌声に本当にうまく溶け込んでいるなあと、いつもじ~んとしてしまうのです。
さぁ、だから、笑顔でいつも乗り切ってゆく。
さぁ、だから、ここらで「さよなら」だ。
で、この歌に、麻生久美子主演!の映像がものすごくマッチしている。
バスから降りてくる麻生久美子。心の傷を抱えているかのように、表情は暗い。橋の下の空き地で、彼女は赤い風船を見つける。そして、出会った一人の少女。お互い引かれるように見つめ合う二人。その周りでは男の子たちが戦争ごっこに興じている。彼女は、手にしたおもちゃの銃で少女を撃つ。ばったり倒れた少女は、いつのまにかフラワーロードの路上に倒れる彼女自身の姿に変わる。そう、少女は彼女自身…。彼女は目を覚ますと、すっくと立ち上がり、歩き始める。
少女が握っていた赤い風船は、悠々と空に舞い昇っていく。「空い赤」は、フラワーロードのアーケードの上を、どこまでも飛んでいく。その風船をじっと見つめて、思わずジャンプする男の子、それが中村一義なのでしょうね。
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