カクレマショウ

やっぴBLOG

amazarashi、ヘビロテ中。

2011-07-25 | ■私の好きな歌
──amazarashiというバンド名はどんな理由で名づけましたか?

「日常、降りかかる悲しみや苦しみを雨に例えてつけました。僕らは雨曝しだが“それでも”というところを歌えたらなと思って」

ナタリー

amazarashiというバンド。作詞作曲とボーカル、ギターを担当する秋田ひろむさんは青森県むつ市在住。もう一人、キーボード担当の豊川真奈美さんと二人で活動しているらしい。

「らしい」というのは、このバンドに関する情報がほとんどないからです。以前、東奥日報かなんかでamazarashiのことを取り上げていたような気もするのですが、その記憶も曖昧で今更探しようがない。

公式サイトによると、

2009年12月 青森限定500枚 シリアル番号入り EP「0.」をリリース
2010年2月 全国盤「0.6」リリース
      1 光、再考
      2 つじつま合わせに生まれた僕等
      3 ムカデ
      4 よだかの星
      5 少年少女
      6 初雪
      7 光、再考 DJ KRUSH remix
2010年6月 ソニーミュージックアソシエイテッドレコーズ移籍 
     「爆弾の作り方」リリース
      1 夏を待っていました
      2 無題
      3 爆弾の作り方
      4 夏、消息不明
      5 隅田川
      6 カルマ
2010年11月「ワンルーム叙事詩」リリース
      1 奇跡
      2 クリスマス
      3 ポルノ映画の看板の下で
      4 ポエジー
      5 ワンルーム叙事詩
      6 コンビニ傘
      7 真っ白な世界
2011年3月「アノミー」リリース
      1 アノミー
      2 さくら
      3 理想の花
      4 ピアノ泥棒
      5 おもろうて悲しき東口
      6 この街で生きている




「ワンルーム叙事詩」に収められている「夏を待っていました」のPVは、第14回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門で優秀賞を受賞しています。amazasashiのコンセプト・イメージにもなっている「てるてる坊主」のアニメーション(作者:YKBX)が不可思議な世界に誘ってくれる。映像は必ずしも歌詞とリンクしているわけではないのですが、amazarashiの紡ぎ出す言葉のイメージと妙にマッチしています。雅敏、靖人、太平。3人の幼なじみの人間性が短い歌詞の中に凝縮されていて、まるで1編の短編小説を読んでいるかのような作品。「廃線」って、もしかして大畑線のことかなあ、なんて、むつ市出身ということで、余計なことまでつい想像してしまいます。ただ、大畑線が廃止されたのは2001年のことなので、30歳前後と思われる秋田ひろむさんが子どもの頃はまだ廃線にはなっていなかったでしょう。

この6月17日には、初めてのライブ「この街で生きている」を、東京・渋谷WWWで開催したとのこと。ステージ上のメンバーの前に「半透明のスクリーンが下ろされ、メンバーの姿がその奥にぼんやりと浮かび上がる」(ナタリー)というセットで、ライブでもぼんやりとしかメンバーの姿を見せなかったらしい。スクリーンには、PVでおなじみのキャラクターや歌詞の一部が映し出されるという趣向で、「音楽と歌詞と映像のシンクロ」というのが、amazarashiの目指す方向性なのかなあと思います。そういうステージならぜひ見てみたい。

で、そういう活動が、本州最北端の下北半島、むつ市に住んでいてもできるというところが素晴らしい。秋田さんは、かつて東京でも何年かバンド活動をしていたらしく、彼の歌詞には、都会の光景やそこで感じる孤独感や淋しさもふんだんに描かれています。

春夏秋冬 変わっていく街の景色 その中で抗ってる 君も 僕も
希望 誹謗 理想 自嘲 戦ってる相手は 疑う心だ つまり自分だ

いつもの紅い夕焼け 旅立つ君の影が
歩きなれた街で 細長く横たわって
明日の道しるべ みたいに伸びる
この先後どれ位 悩んで歩くのかな
それでいいや 僕らは 希望も苦悩も抱えて
この街で生きている
これからも生きていく

(「この街で生きている」)




干からびた栄光が 国道沿い 血も流さず潰れているぜ
欠陥だらけの僕等の 苦悩もこれまた無惨な廃品
歌にしたって誰も聴かないし いまだに金にもならねぇし
今日も夕焼けの帰り道 くすぶってんのはどこのどいつだ

分からないものは分からないし
やりたくないことはやらないし
そう言ってら落伍者扱い 立派な社会不適合者
やり続けることの情熱も 今じゃ余計な不穏分子
純粋でいることの代償は つまり居場所が無いって事だ

行き場の無いイノセンス イノセンス 今に見てろって部屋にこもって
爆弾を一人作る 僕らの薄弱なアイデンティティー
ひび割れたイノセンス イノセンス こんなんじゃないって奮い立って
僕は戦う つまりそれが 僕らにとって唯一の免罪符

(「爆弾の作り方」)




かつて、尾崎豊が若者の不満や焦燥を代弁してくれたように、amazarashiのこんな歌詞も、今の若者の心にびんびん響いているのでしょう。私にだって届くくらいだから。メロディも、秋田ひろむの声も、こういう歌詞にとてもマッチしています。

一方では、「真っ白な雪」みたいにきわめて叙情的な曲も。まるで、私たちが高校時代に聴いていた「NSP」じゃん、この世界!(ちょっとチガウか(^_^;))

朝 目覚めたら 雪が降っていて
曇った窓こすって しばらく見ていたよ
あなたの居ない世界は 寒くて嫌いだな
子供みたいに愚痴って 僕は家を出る

変わらない日々に 何を願って 僕等は生きている?
ありふれた事だね きっと

積もる 積もる 白い雪 全部真っ白に染めてよ
明日の景色さえも 変えてくれよ

(「真っ白な世界」)




少しの謎とたくさんの魅力に満ちた、amazarashi。しばらく聴き続けるかもしれない。冒頭で紹介したのは、秋田ひろむの「メール・インタビュー」の一部ですが、「雨曝し」というのが、「日常、降りかかる悲しみや苦しみ」に曝されていることを暗喩しているとは。それを表すモチーフが、あのてるてる坊主ってわけですね。よくよく練られていますよね。

amazarashi≫Amazon.co.jp


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4 コメント

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Unknown (23)
2011-07-28 00:13:33
お久しぶりです。blogはよく拝見させていただいてますが、コメントするのは約2年ぶりですね。

amazarashiこんなに気に入ってもらえるなんて!私よりも詳しくなっているし 笑
教えたものとしては凄く嬉しいです^^


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おやおや (やっぴ)
2011-07-28 00:34:00
お久しぶり…です。

amazarashi、教えてくれてありがとう。いえ、まだまだぜんぜん詳しくなんかありません。またいろいろ教えてくださいね!
返信する
m(_ _)mはじめて投稿します (テツ)
2011-08-30 13:05:08
こんにちは。
はじめまして。
amazarashi最近知しりました。
凄く心に響きました。
僕はオッサンですけど若者達の心にも響いているのでしょうか?
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ありがとうございます。 (やっぴ)
2011-09-01 23:34:58
テツさん

私もおっさんですが、おっさんの心に響くということは、若者たちにも響くにちがいないですね。いいものは世代に関係なくいいのだと思います。
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