県の観光企画課主催の第3回おもてなし向上実践講座で、「ディズニーのおもてなし向上術」という講演を聴いてきました。講師は、長年東京ディズニーランドで企業内教育に関わってこられた福島文二郎さん。
ディズニーランドのCS(顧客満足)を向上させてきたのは、もちろんディズニー流の「ホスピタリティ」ですが、会社として力を入れてきたのは、従業員のホスピタリティを向上させることだけでなく、「働きがい」(JS=Job Satisfaction)をサポートすることだという。仕事は人を通じて行われるもの。一人一人が働きがいを持って仕事をするのとそうでないのとでは、組織の継続力に大きな影響を及ぼします。そのために、ディズニーが掲げるミッション(「すべてのゲストにハピネスを提供する」)をすべてのキャストが共有し、常にそれを意識してそれぞれの仕事をするようにしている。組織にとって良くないこと(つまり、ハピネスを提供していない事態)が起これば、それをキャスト自身が修正する力が働くという。
ミッションを達成するために、キャストに求められる行動指針は4つ。<安全性>、<礼儀正しさ>、<ショー>、<効率>。この順番で優先順位が遵守される。<安全性>が第一というのは当然として、<礼儀正しさ>が2番めというところがディズニーらしいですね。あいさつ、笑顔、アイコンタクトが3原則。これができない人にはやめてもらうという徹底ぶり。徹底といえば、<ショー>つまり、キャスト(裏方も含めて)の身だしなみにも超厳しいのには驚きました。髪型からアクセサリー、爪の長さ、靴下の色まで、学校の校則も真っ青のキビシさ。もし、一人でも身だしなみにだらしないキャストがいたら、それは「ディズニーランドの」キャストが、という風評につながる。そういう意味では当然といえば当然。
世の中の会社がすべてディズニーランドのような会社ではもちろんないけれど、高校生や中学生にも、一度は聞いて、知っておいてほしいと思いました。ディズニーランドのホスピタリティの考え方と、その陰に隠された厳しさと。少なくとも、「仕事は誰か他の人のためにするもの」、そして、「まず自分が成長しようとすることが大事」ということはわかってもらえると思うから。
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