カクレマショウ

やっぴBLOG

「現代のナスカ地上絵」

2012-02-22 | ■世界史

今日の毎日新聞に「現代のナスカ地上絵」という記事

 

ナスカの地上絵については、前にもブログで書いたことがありますが、そこにも登場する山形大学の研究チームが、「今も地上絵が描かれている」という話を聞きつけて、2008年の夏にその絵を見に行ったのだそうです。そこには、30メートル以上もあるキリスト教の聖母が斜面に描かれていた。

 

面白いのは、これを描いたのは、アーティストでも歴史学者でもなく、「近くの町に住む女性2人」だということ。古代ナスカの地上絵も、彼女たちと同じ名もなき農民たちが描いたものだと言われています。決して、「宇宙人」がUFOに乗ってやってきて、さささーっと描いて去っていたわけじゃないんです。雨乞いのためとか、天体観測のためとか、目的についてはまだよく分かっていないようです。

 

「現代の地上絵」は、制作時間はたった30分!だという。小さく描いた下絵をロープと棒を使って拡大して、という「複写法」を使うことなく、彼女たちは、いつも畑に種を播く時の要領で、目視でお互いの距離を測りながら、2人で左右対称になるように足で描いたのだという。これって、簡単なようでなかなかできない芸当だと思いませんか? 記事によると、ナスカの農民たちの「距離感覚は研ぎ澄まされ、かなり遠くの山までも目測で「何百歩」と、ほぼ正確に言い当てることができる」のだそうです。30メートルくらいの左右対称の絵なら、チョチョイのチョイで、難なく描けちゃうってことか。

 

おそらく地上絵を描いた古代ナスカ人たちも、同じ才能を持っていたのでしょうね。2000年もの間、変わらず受け継がれてきているというのは、畏敬に値します。もしかしたら、私たちにも縄文人たちの持っていた能力が実は受け継がれていて、ただそれに気づいていないだけなのかも…。「文明の利器」に誤魔化されて、人間個々の本当の能力が隠されているだけなのかもしれませんね。

 

さて、山形大学のチームは、現在、「3Dレーザースキャナー」という機械を使って、古代ナスカの人々の「足跡」の痕跡を調べているのだそうです。つまり、地上絵を描く時には、今回の女性2人も同じなのですが、「片方の足で地表の黒い石を蹴飛ばして」下にある白い砂地を露出させて20㎝ほどの幅の「線」にしていく。その時、軸足になっている足の跡が、線のわきに残っているはずだというわけです。「3Dレーザースキャナー」を使えば、地表の起伏を「ミリ単位まで」測定可能なのだそうで、2000年前の足跡を見つけ出すことができるかもしれません。

 

ま、足跡の痕跡をたどってみても、ナスカの地上絵最大の謎である「何のために?」という答えは導き出せないような気がしますけどね。そもそも、古代ナスカ人が「文字」を持っていなかったことが残念。文字さえ残っていたら、「何のために描かれたのか」の手がかりがつかめたかもしれないので。文字による記録って、歴史を解明する上ではほんとに重要です。

 

それにしても、この「2人の女性」。いったい何のために「聖母」の地上絵を描いたんでしょうね~? 

まさか雨ごいとも思えず。やはり信仰の証を残したかったのかな。

それとも、単なる気まぐれ? 

気になる気になる。


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