カクレマショウ

やっぴBLOG

人は見た目で判断するものだけれど。

2008-10-30 | ■教育
「イメージ他己紹介」というワークがあります。

知らない人どうし二人ペアになって、それぞれ、ペアの相手と一切話をしないまま、まずじっくり「観察」する。そして、お互いに、第一印象だけのイメージで相手のことを紹介し合うのです。相手のことは何も知らないまま、できるだけ想像をたくましくして、「こちらの○○さんは、家族5人暮らしで、仕事は保険会社の営業をしています。毎日帰りが遅く、つい疲れもたまりぎみ。ストレス発散のため、休日は山登りをしています。特にこの頃のシーズンは、毎週のようにあちこちの山に出かけては紅葉を楽しんでいます。読書は時代物が好きです。」なんて感じで、勝手に紹介してしまいます。

それぞれに「他己」紹介が終わったあとは、本人からの種明かし。合っていたところ、全然違うところを確認していきます。ほとんど当たっていたという人もいれば、あまりにも自分とかけ離れた紹介をされる人もいます。

いずれにしても、このワークから学ぶことができるのは、「人がいかに第一印象や外見で他人を判断しているか」ということ。「人は見た目が9割」というのは本当なのだなあと思います。もちろん、その後の相手とのコミュニケーションによって、「見た目だけの判断」はどんどん修正されていくわけですが、それでも、第一印象が相手に与える影響はとても大きい。

神奈川県の県立高校で、入試の際に、茶髪やピアス跡、眉そりなどの「外見」で判断された受験生22名が不合格になっていたというニュースがありました。もちろん、県の選考基準に「外見」に関する基準はない。

この高校の校長は、外見で不合格にした理由について、「入学後の生徒指導が大変だから」と語っているそうですが、たとえ、いくら生徒指導に手を焼く高校だとしても、そんなことは校長が言うべきことじゃないよなあと思います。

また今朝の新聞によれば、この件に対して、県教委に120件ほどの意見が電話やメールで寄せられたといいます。驚いたのは、そのうち半数以上が学校に同情的な意見だったということ。外見で人を判断することについて、多くの大人が肯定的だということですね。それが入学試験であったとしても! 学校に対して批判的な意見は少数だったと言いますが、それも、「子どもの学ぶ機会を奪ったのはよくない」とか「入学させてから育てるのが学校だ」とか、建前論ばかりでつまらない。人を見た目で判断するのは良くないことだ!と正面からの反対意見はなかったのでしょうか。見た目だけで、いったい、その子の持つ「一所懸命さ」や抱いている将来の夢まで見えるのか?

人は見た目で判断したりされたりする。それは紛れようもない事実。しかし、それが「世の中の現実」なんだよといくら説いたところで、「人と違った格好」を見せたくてたまらない彼らが聞く耳を持つとは思えません。むしろ、外見がどうあれ、人間は中身で勝負だと言ってくれる、勇気ある大人を待っているのではないでしょうか。見た目だけで判断するようなケツの穴のちいせえ奴なんか相手にするこたぁねえ!とかね。

茶髪でピアスをしていても、ちゃんとした大人になろうという気持ちさえあれば、ちゃんとした大人になって、そして、外見で人を判断しない、まれな人間になれるかもしれない。先生やまわりの大人たちは、彼らに「ちゃんとした大人になろう」という気持ちにさせることが使命なのではないか。

 

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