
昨年度発生した小学生の暴力行為が過去最多の1万1468件にのぼり、2006年度(3803件)と比較すると3倍となっているとの報道(2015年9月17日付け読売新聞)。
この場合の「暴力行為」って、児童間や対教師、学校外の人に対する暴力(胸ぐらをつかむ、殴る、蹴る、噛みつくなど)や器物損壊行為(机や椅子を投げつけるなど)を指し、いずれにしても、「肉体的な暴力」のことらしい。「死ね」とか「うぜえ」といった「暴言」だけでは暴力とはみなさないらしいのですが、そのへんの基準というか、とらえ方って難しいですよね。暴力行為の約半数は、子どもたち同士の間で起こっていて、それも「ケンカ」なのか一方的な暴力行為なのか、判断しかねる部分もあると思います。もしかしたら、子ども同士のよくあるケンカも「暴力行為」にカウントされてしまう世の中なのかもしれません。
こういう調査結果が出ると、「いったい今の小学校はどうなっているんだ」と学校の責任を問う声や、「教師の鉄拳制裁が必要」といったトンデモ意見まで、要するに「学校が解決すべき」という論調の意見が続出します。しかし、小学生がすぐキレて暴力を振るうのは、学校の問題ではなく、本来は「家庭」の問題だと思います。ある大学教授が語っているように、「学校で暴れる子は、家で親からどなられるなどしてストレスをためており、それを学校で発散させている場合が多い」というのは確かでしょう。暴力を振るう子どもは、そもそも親に「問題がある」ケースが多い。もちろん、暴力に訴える子どもをどう指導していくかという点については、学校としてもきちんと対応しなければなりませんが、やはり、親が変わらなければ子どもも根本的には変われないのです。そこで、社会教育の力が試される。
ただ、「問題のある(変わらなければならない)親は、(意識を変えてもらうための)学習や話し合いの場に参加しない」という家庭教育支援の永遠の課題が重くのしかかってきます。彼らにどのようにアプローチしていったらいいのか。
何か「問題」や「事件」が起こってからではなく、未然に防ぐことこそ社会教育の役割であり、手をこまねいていてはいけないと思いつつも…。子どもの暴力をめぐる問題は、「貧困」をめぐる問題と同じくらい根が深い。
「社会教育万能説」って感じですね。
問題のある子やその親御さんをしっかり教育・指導すればこの種(子供の暴力)の問題は解決!!ってね。
管賀江留郎さん辺りの本を読んで、もう少し勉強することをお勧めします。