カクレマショウ

やっぴBLOG

対処療法だけでは解決しないはず。

2006-11-14 | ■教育
自殺を予告する手紙がこの1週間で16通も文部科学省に届いているそうです。消印を頼りに、該当する県や自治体の教育長が「その子」に訴える。「死んではいけない。誰でもいいから相談してください」。しかし、彼らは親にさえ相談できないから自殺まで考えてしまうのです。死んだ方がマシ、なんて子どもの口から一番聞きたくないセリフです。

青森県教育委員会は、「いじめ問題対策チーム」を設置して、いじめられている子の電話相談に乗り出しました。同様のいじめ問題に対する強化策は、22の県で講じられていると聞いています。

一方。

母親による虐待で命をなくしたかわいそうな男の子。秋田県の児童相談所は虐待の事実をつかんでいて、一度は親子を引き離したそうですが、子どもが預けられた先が母親の実家ではあまり意味がありません。母親がすぐに連れ戻しに来て、その後は虐待もなくなったと見られていた矢先に起こった今回の事件。秋田県は、今後、そういう親をきちんと「追跡」する方策を考えていく方針だとか。

いずれも、「対処療法」です。今のような「事件が事件を呼ぶ」ような緊急事態では対処療法も必要でしょう。しかし、もっと抜本的な対策も同時に講じていかなければなりません。つまり、「人をいじめない子どもを育てる」、「子どもを虐待しない親を育てる」ということです。

いじめが原因で自殺した子どもの親は、「この子の死を無駄にしないでほしい」と訴えます。いじめが原因で死ぬような子をこれ以上出さないでほしいという切実な声です。そこには、いじめという事実を早期に学校や親が気づいて、早急に何らかの処置を施して、いじめをなくしてほしい、という思いが込められています。しかし、もっと根本的なこと、つまり、「人をいじめる子を育てない」教育をしてほしい、という思いの方がもっと強いような気がします。 「人をいじめる子」は、いくら対処療法的に正したとしても、また同じことを繰り返すのではないのでしょうか。根底にある、人の痛みがわからない、という病巣(あえて病巣と書きます)を取り除かない限り、いじめはやむことはないでしょう。そういう子どもを根気強く導いていくこと、そして、そのためには学校や親がどんな具体的な指導をしていけばよいのか。

「子どもを虐待する親」も、今回の事例のように、結局は同じことを繰り返しています。虐待が起こってから、子どもが死んでしまってからでは遅すぎるのです。では、そもそも、虐待しない親を育てるためには、どんな教育が必要なのか。

対処療法ばかりでなく、長期的な視点で、そういう手だても真剣に考えていかなければならないはずです。

 

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