カクレマショウ

やっぴBLOG

デフ・パペの「音のワークショップ」

2006-07-17 | └人権教育・学習
「デフ・パペットシアター・ひとみ」の善岡修さんとやなせけいこさんによる「音のワークショップ」に参加してきました。

「デフ・パペ」は、「ろう者(聴覚障害者)と聴者(健聴者)が共同で作る人形劇のグループ」です。聴覚障害者の方も楽しめる人形劇を日本はもちろん、世界各国で上演されているとのことです。

耳が聞こえない人も楽しめる人形劇。

私たちは、芝居は視覚と聴覚の両方で楽しむものだと思っていますので、視覚だけで人形劇を作るというのは、ちょっと想像がつきません。今回は人形劇そのものを見ることはできませんでしたが、ワークショップを通じて、少しだけ理解できたような気もしました。

会場にずらりと並べられたアフリカのドラムや竹の拍子木、フライパン、手作りの三味線みたいな楽器、雨の音を出すパイプ…。様々な楽器を使って、「音」を感じるワークが始まりました。会場の子どもたちに自由に音を出させる、次にやなせさんのドラムに合わせて音を出させる、それから一人ずつやなせさんの作るリズムの真似をさせる、そして音による「会話」を楽しむ。最初は戸惑っていた子どもたちも、しだいに「音」の醸し出す魔術に引き込まれていくかのようでした。

最後に、ペープサートを使ったセリフのない人形劇に「音」をつけました。4~5人のグループに分かれ、この場面にはこの楽器を使ってこんな音をつけよう、と想像力をめぐらしながら音の演出をしていきます。最初にやなせさんと善岡さんが見せてくれたお手本は、場面ごとによく練られた音の出し方で、さすがとうならされるものがありました。ホンモノはやっぱり違います。

けれど、子どもたちが単純ながらも一生懸命考えて奏でる音もなかなかよかったのです。たった2時間のワークショップで、「音」に対する感性が進歩したんじゃないかと感じるほどでした。子どもたちの吸収力はすごいものがあります。

善岡さん自身、聴覚障害者ということでしたが、彼の表情の豊かさには大人でも引き込まれます。彼は「音」を聴くことはできないけれど、確かに音を「感じて」います。子どもたちがどんな風に音を楽しんでいるかについても、彼はきっと子どもたちの表情や手の動きで感じ取ることができるのでしょう。それは、相手が聴覚障害者であっても同じことだと思います。伝えようという心と、感じ取ろうという心があれば、必ず相手に伝わるのです。

手話によるやなせさんと善岡さんの掛け合いもイキがぴったりで、とても楽しいひとときでした。

 

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