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とりあえずの目玉は、開館記念として開かれている「シャガール特別展」。シャガールがバレエ「アレコ」の舞台背景画として描いた全4幕が公開されています。4枚が一堂に展示されるのは「今回が最初で最後」というのがうたい文句です。
背景画1枚の大きさは、縦9メートル、横15メートル。ユダヤ系フランス人のシャガール (1887-1985) が、ナチスの迫害を逃れて米国に亡命中の1942年にニューヨークのバレエ団の依頼で制作したものです。
第1幕 月光のアレコとゼンフィラ
第2幕 カーニヴァル
第3幕 ある夏の午後の麦畑
第4幕 サンクトペテルブルクの幻想
県立美術館が保存しているのは、米・フィラデルフィア美術館が所蔵している第3幕を除く3枚。1994年に15億円で県が購入していたものです。今回、フィラデルフィア美術館から第3幕を借り、初めて4枚がそろったというわけです。美術館には、「アレコホール」と名づけられた専用の展示室に展示されます。
ただ、「アレコ」は、いわば「人寄せパンダ」的なものだろうと思っています。県立美術館の本来の使命は、常設展示される「青森コンプレックス」の方だろうと。棟方志功、奈良美智、阿部合成、成田亨、工藤甲人など青森県ゆかりのアーティストの作品が1部屋ごとに楽しめること。彼らの作品に漂う「青森らしさ」を見つけるのも面白いかもしれません。
それから、美術館が力を入れようとしている教育普及活動。全国的に見ても「こども美術館」というコンセプトは今や美術館になくてはならないものになっていますが、多彩なプログラムで子どもたちに芸術に親しんでもらうことは、県立美術館の最大の役割と言っても過言ではないと思います。子どもたちが「ホンモノ」を見たり、触れたりするということはとても大事なことです。「ホンモノ」のすごさは、テレビや本やネットでは味わえるものではありません。メディアを通さずに、自分の身体で感じることが大切ですね。
開館記念展 シャガール 『アレコ』とアメリカ亡命時代 。時間を見つけて、できるだけ早く足を運びたいと思っています。
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