カクレマショウ

やっぴBLOG

「全国中学生人権作文コンテスト」入賞作品から

2015-03-02 | └人権教育・学習

茨城県の中学1年生の人権作文(文部科学大臣賞)。「片手分しか数えられない」知的障害をもつ「辰ちゃん」。祖父が、50年以上前に身寄りのない辰ちゃんを働き手として引き取り、自分が生まれた時から家にいたという。小さい頃、庭で捕まえた生き物をプレゼントしてくれたり、一緒に遊んでくれたりして、辰ちゃんはとても優しい。「ぼくは、障害者という呼び方はあまり好きでない。辰ちゃんは知的障害者だったけれど誰よりもきれいな心を持っていた。働いて食べて、一生懸命に生きていた。誰も傷つけたりしない。生き物が大好きで、小さな命を大切にした。いつも笑っていた。」 

「誰も傷つけない」というのは、本当に難しいことです。でも、そういう人がすぐ近くにいたから、彼は友だちをいたわることができる。そして、「「助けが必要な人」をサポートしてあげられる大人になりたい」と堂々と書けるようになる。

全国中学生人権作文コンテストの県内の入賞作品集について先日紹介しましたが、今度は全国版の入賞作品集が届きました。さすがに全国となると、内容も多岐にわたり、読み応えがあります。

最優秀作品(内閣総理大臣賞)は、佐賀県の中1の男の子の作品。ふとしたことから友人の目のすぐ横を傷つけてしまった事故をめぐり、親や友人とのやりとりを通して、「被害者」と「加害者」のそれぞれの立場について、深く考えさせられた様子を描いています。もし失明でもしたら、一生あんたのお金と時間を費やしなさいと言うお母さん。「お母さんが言いたいのは、誰かの権利を侵してまで、あんたの権利が優先されることは絶対ないってことなんよ」という言葉、心に響きますね。 

法務大臣賞の作品は、福岡県の中3の女の子。修学旅行中に一人の中学生が被爆者の方に発した「死に損ない」という言葉に驚き、戦争体験のある96歳の曽祖父に戦争の話を聞いた。何か伝えたいことないという問いに、「戦争せんことたい。」という曽祖父の言葉の重み、命の重みを感じたという。 

中学生たちの作品集、下手な小説を読むより読み応えがあるのではと思う。中学生たちの純粋で素直な文章に、つい涙腺がゆるみます。大人になって社会に出てからもその気持ちを大切にしてほしいと心から願います。 

作品集はこちらから読むことができます。(PDF)


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