ジダンの謝罪

ジダンとマテラッツィの事件。ジダンがテレビ番組の中で、暴力行為について釈明しました。

あのような行為に出た原因は、マテラッツィから「自分の母親と姉への侮辱」の言葉を繰り返し言われたことだとジダンは話しています。英国の「読唇術の専門家」が読み解いた内容とほぼ一致しています。

さらにジダンはマテラッティへの「頭突き」について、「許されない行為」であるとして、テレビで観戦していた世界中のファンや子どもたちに対して謝罪の言葉を述べました。

しかしその一方で、「あの行為を後悔するわけにはいかない。なぜなら後悔すればマテラッツィがああいう言葉を口にするのは正しいということを意味してしまう」、「本当に責められるべき人間を罰する必要がある」といったことも述べています。

サッカーの試合では相手を挑発するような言葉が飛び交うのは当たり前という意見も聞きますが、それにしても言っていいことと言ってはいけないことがあるはずです。また、どんな理由にせよ、暴力に訴えることも許されるべきことではありません。結局、どちらにも非があるのです（マテラッティは言っていないと言い張っていますが）。

私が見たいのは、あるいは子どもたちに見せたいのは、ジダンとマテラッティがお互いの非を認め合い、謝罪し合い、握手するシーンです。FIFAが処分を下そうが、ジダンのMVPが剥奪されようが、そんなこととは関係ない二人の間の問題です。言葉で傷つけ、肉体的な暴力をふるった。そのことを二人の間で確かめ合い、本心から和解してほしいと思います。ジダンは口では謝罪すると言っていますが、それができて初めて子どもたちに謝罪したことになるのではないでしょうか。