カクレマショウ

やっぴBLOG

マテラッツィとジダンの事件

2006-07-12 | └人権教育・学習
サッカーにもワールドカップにもさほど興味はないのですが、決勝戦でフランスのジダンが退場になったシーンだけは大変興味深く見ました。

イタリアのマテラッツィという選手にいきなり頭突きを食らわせて退場となってしまったのですが、その原因は、マテラッツィ選手が吐いた「侮辱」的な言葉。ジダンはなんて言われたのか、いまだに明らかにしていませんが、新聞によると、「読唇術の専門家」(!)がマテラッツィの唇の動きを読んだ結果、「テロ売春婦の息子」、「くたばれ」と言ったのだとか。マティラッツィはそれを否定しているということですが、何らかの挑発的な言葉を吐いたのは確かなようです。もし上述のようなことを試合中に言ったのだとすれば、許されることではないと思います。

ジダンはアルジェリア系フランス人でイスラム教徒なのだそうです。今回の暴言騒動は、「イスラム教徒=テロリスト」という誤ったイメージの刷り込みが背景に横たわっているのでしょう。出自や民族、宗教で人間を差別したり、偏見を抱いたりすることは、あってはならないことだと思います。ましてやスポーツ、それも世界で最も注目を浴びている晴れ舞台でそういう言動があったとしたら、とても悲しいことです。子どもたちはあの場面を見てどんな思いを持ったでしょうか。あんなに有名なスポーツ選手でさえ、偏見の目で人を見たり差別的な言動をしたりするのか…。それが当たり前なんだなーと思いはしないでしょうか。

大人は子どもに背中を見せなくてはいけません。注目を浴びている大人ほど自分の背中には重い責任があります。マテラッツィ選手は、きちんとした対応をすべきだし、暴力に訴えたジダンにも同じことが言えると思います。世界中の子どもたちが見ていたからこそ、あの「事件」をうやむやにしてしまってはいけないのではと思います。

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