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村上隆の五百羅漢図展

2016-02-09 | ■美術/博物

森美術館で開催中の「村上隆の五百羅漢図展」。「五百羅漢」とは、釈迦の教えを広め、煩悩を追い払い、衆生を救済するためにこの世にとどまっている500人の聖人のこと。江戸時代の絵師、狩野一信の「五百羅漢図」をモチーフとし、中国の古代思想で東西南北を司る四神(青竜、白虎、朱雀、玄武)の名を冠した4面の巨大壁画。25m×4幅で全長100メートルにも及ぶ。

   

大きな人・小さな人、恐ろしい顔、とぼけた顔、アニメ的な羅漢、デフォルメされた霊獣たち、いろんな姿かたちの群像を一つ一つ見ているだけで楽しい。「朱雀」には手塚治虫の「火の鳥」までいるし! 細部は極めて多彩多様なのに、全体は一面一面がそれぞれに統一されたイメージで成り立っている。

この大作を彼一人で制作したわけではもちろんなくて、全国の美大生200人くらいが集まって分担作業で作られたそうです。その制作過程を示す展示もあって、村上隆に「ボケ!」とか罵倒されてたんだなあと。心折れて途中でやめていった学生もいるらしい。そういうプロセスをあえて見せるのも村上流なんでしょうね。

  

聞くところによると、この作品は「東日本大震災の鎮魂」のために作られたということなんですが、制作が始まった時はまだ震災前なんですよね…。大震災の惨状を見て、そちらにテーマを置き換えたのかな。まあ、五百羅漢でも救えないものはあると思うんですけどね。

この展覧会は、珍しいことに写真撮影フリーだったので、みんなバシバシ写真撮っていました。もちろん私もその一人でしたが、こういう作品こそ、煩悩のシャッター音が聞こえない、静かな場所でじっくり見たいと思ったものでした。あ、青森公立大の国際芸術センターのひっそりとした空間なんか、バッチリかもしれない! あ、スペース足りないか( ;∀;)


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