キツネの頭の骨を捌いて素揚げにし/骨についている肉を外す
キツネを捌いて頭を兜割りし、いくつかに分けて素揚げ。その兜割りした頭の片側を食す。
魚の肉で一番おいしいのは刺身になる部分だと思われているかもしれないが、それは違う。
一番美味しいのは骨周り~特に頭の骨の周辺なのだ。
まず目の周辺の皮をめくり、ほっぺたに当たる鰓蓋の肉を外す。頭(顔)の中では一番大きな肉である。
次いで目のすぐ後ろにある肉を外すと眼窩と思われる位置にある大きな肉が現れる。
その肉を取り外すとポッカリと大きな空洞ができる。キツネは目が小さいのでこれは眼窩ではないかもしれない。
かといって脳室でもないようで本当のところは分からない。
脳室は鼻腔のすぐ後ろにあって柔らかい豆腐のような脳を取り出すことが出来るが、キツネは脳が小さいので無視。
これで顔面側の大きな肉はほぼ取り終える。
原型をとどめなくなった
V字型になっている下顎の骨の間の肉を外す等、細かなせせり肉を取ると頭はバラバラになる。
骨に着いているコラーゲンたっぷりの皮も美味しい。
骨までしゃぶって/残さずつくす
残さず食べつくすのがもらった命に対する礼儀・・.と言うより、本当はここが一番おいしいのだ。
この骨に熱いお茶をかけてお茶漬け~骨スープ。
残った骨はもう一度揚げるなり、レンジチンして骨せんべいにする等々‥。
キツネ:北陸~北越地方の日本海で捕れる底生魚で、正式名称はタナカゲンゲ。
北陸~越後辺りではキツネだが山陰ではババアと呼ばれる。知る人ぞ知る珍魚で市場に出ることはなかったのが、近年人気が出て一般の人にも知られるようになり、名前もばばちゃんと改められたと言う経緯もある。
目 : スズキ目 Perciformes
亜目 : ゲンゲ亜目 Zoarcoidei
科 : ゲンゲ科 Zoarcidae
属 : マユガジ属 Lycodes
種 : タナカゲンゲ L. tanakae
学名:Lycodes tanakae Jordan & Thompson, 1914