長深山を仰ぐ/『ヘグリ』到着
柳井市在住のF氏来島
11月12日(木)
前日に続いて長深山ルート調査の2回目。海は相変わらず荒れているが今日は相方のF氏がフェリーで来ることになっており、9:20に西港船着き場に着いて待つ。9:33にフェリーが着き、初対面の挨拶もそこそこに歩き始める。
前日と同じ出発点/農道を直進
途中のベンチでルートを確認。F氏が用意した地図によると、長深山に向かうルートは2本あり、1つは昨日自分が歩いたルートで、もう1つは鶴甫と言う地区よりも先の方から入って長深山の山頂は通らずに東隣の深山に至るもので、史実に詳しいF氏はこちらの方が古い道らしいと言ったが、今回は取り敢えずハッキリしている道を辿ることにして昨日と同じ登山口に向かう。但し、市道からの入り口は昨日より5m先の川沿いの道で、上の方で合流して9:51に最終民家を通って山道に入る。
石垣の畑/
その道を前日とは違ってまっすぐ進めばみかん畑の小屋がある柵の入り口に到達するものと思い、Sさんと言うご夫婦に会ってから行こうとこの時は思っていた。
その道はつづら折りになっていて思ったより長く、途中の両側にも立派な石垣の棚畑があったが、いずれも耕作されなくなってから相当の年月を経ているらしく太い木が繁茂して薄暗かった。
昨日見たポンプ小屋に出た/昨日と同じ場所から畑を見る
10:02から5分ほど休み、歩き始めてすぐの10:09、昨日と同じ小屋に出てハタと首をひねる。みかん畑の向こう側の入り口に着いて畑を通らせてもらってここに出て来るものと思っていたのが外れて、昨日のような薮漕ぎをすることもなく尾根道に出られることになる訳で、これは出張所長さんの説明とも違っていた。
昨日と同じ石段/同じ目印
とまれ畑を通る労なく登山道に入ることが出来、10:11に昨日と同じようにみかん畑を見下ろし、10:16に昨日と同じ石垣の階段を登り、10:23には昨日と同じ目印に新しい目印を施して順調に進む。
10:28、ひときわ太くて高く抜きんでている松を見てこれがS夫人の言っていた大きな松の木であろうと見当をつける等して10:35にNTTの反射板に至る。
ここでF氏が『かつて友人が少し先から入ってここで合流して』いると言ったので、別の道があるのかもしれないと思って奥の方に分け入って見たが道は見つからず、しかしその先にも石垣の棚畑が続いているところを見ると道があったであろうことは想像できた。
道を探す
10:39発。そこからが道なき道~と言うよりあったとしても荒れて通れない道になる。S夫人が『何回も登った。道はある』と言っていたので、目印を追って注意深く登ることにした。
確かに昨日目印を見失った地点からも目印は続いて、それを追っていくと道は右の方に折れ曲がっていたが、やがては 尾根の中央部に戻り、横倒しになった木の真ん中に赤いテープが巻かれた見覚えのある場所に戻った。つまり前日は遮二無二直進していたことになる訳で、それでも正解だったということだ。
石垣の脇に道あり
そこから先にも石垣があり、F氏は中央の階段を登って直進しようとしていた。自分は前日の経験から石垣を無理に突破しようとして道を見失ったが、石垣の左右いずれかの脇に道はある筈だと考え、この場所では石垣に沿って左手に進むと、倒れかかった木や蔓に阻まれてはいるがしっかりした道があることが分かった。
空が見えた/前ピークの広場に到達
頂上の三角点/しっかり目印
こうして着実に目印をつけながら前進し、11:28に前日のナタメを発見。そこから木の間越しに空が見え、11:29に前ピークの広場に着く。さらにそこから太陽の方向に向かって緩やかな斜面を南進し11:36に三角点のある山頂に到達して目的を果たす。
深山への道発見/ここで折り返す
その後は12時をリミットとして深山方面に歩いてみようと言うことになり、南東に向けて斜面を下る。11:46に明瞭な道を見つけ、そこに二重の印をしており返す。この道は長深山の山頂を通らずに主脈に出て深山に向かう道で、F氏の説明では明治時代からすでにあったとのこと。どう言う歴史があるのか知りたいところで、その起点の特定を含めて次回の課題となる。深山へのルートは主脈を外さないようにしながら障害物を避けて進めば遠からず踏破できると言う感触を得た。
ここまでの経路を含めて、一帯は外側から見れば分厚い森林であるが、マントの中は長年に亘って日光の恩恵を受けない状態で下草などの繁茂がなく、倒木と蔓植物が障害になるだけなので、道を拓くことはそれほど難しくはないと言うのが感想である。
下山へ
12:01に三角点、同:03に前ピークを通って下山開始。ピンクのマークを辿って難なく下り、所々に新たな目印をつけ加えたりしながら順調に下って、12:49に反射板、13:06に海を見下ろす場所を通過。
みかん畑の怪
13:10にみかん畑の柵を越えて中に入る。そこから逆に表側の入り口に行ってSさん夫妻に会いに行こうとしたところ、その畑はSさんの小屋のある畑ではなかったことが分かり、引き返して元の道を下る。
下山
その謎が分からないまま最終農家まで下ると玄関に若い男性がいて、話を聞くと彼はS夫妻の子息で、2人は今日もみかん畑にいるとのこと。結局その謎は解けぬまま市道まで下がり、魚類供養塔を見たりして14時に船着き場に戻り終了となる。
八幡神社/魚類供養塔
今回の調査で深山まではすぐにも行ける見通しが出来た。夏場より冬の方が落葉する分だけ見通しがよくなるので、近いうちに深山までを歩きたいと思う。