中国広東省深セン市の土砂崩れが、日本でよく起こる自然災害的な土砂崩れでないと知って、驚いている。まさに人災なのである。深圳は香港に近く、中国経済発展のシンボル的な都市である。だから、山を崩して、ビルを建て、地下を掘る地下鉄工事なども、活発である。当然、残土が出る。その残土を住宅地に近い、山の採石場跡地に捨てたのである。積もり積もって、高さは100mにも達したという。住民たちは、その危険を察して、市に訴えたそうだが、役人たちは動かない。いや、動けなかったのである。今、中国では、習近平政権の手によって、反腐敗運動が進められている。広東省でも、朱明国・同省政治協商会議主席や、万慶良・広州市党委書記らが失脚し、その側近とされる幹部たちも次々に粛清されている。こんな時に、残土の撤去に、多額の金を使ったら、待ってましたとばかりに、業者との癒着を攻撃される。役人たちはサボタージュに徹したのである。逆に言えば、習近平政権に近い人たちはやりたい放題だろう。天津市の倉庫爆発事件はこうして起きた。方や、役人は委縮し、方や法律無視の行動に走る人もいる。中国は広いので、深圳事故など、多くの人にとって、まったくの他人事かもしれないが、この矛盾が思わぬ形で、暴発することもあるのである。(2015.12.22)
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