NYの美術館にあった古代エジプトの「黄金の棺」がエジプトに返還された。この「黄金の棺」は明らかに元はエジプトあったものだ。だが、これが常態化すると、例えば、大英博物館にあるロゼッタ・ストーンもエジプトへと返還されるべきではないかという議論さえ招きかねないと一瞬、身構えた自分がいたのである。しかし、実は今回の話は違うようである。この種の文化財にまつわる話は民族問題とからむし、NYの美術館のようなゆとりのあるところばかりではないのである。だから、この種の問題を解決するには国際的な一定のルールが必要なのだ。さて、まず、今回の問題である。事件は2011年という極めて最近に起こった盗難事件に由来する。エジプトで革命が起こり、そのどさくさにエジプトの美術館から盗まれたものであることが判明した。その後、違法に転売され、NYの美術館のものになった。一般的な法の解釈からすれば、NYの美術館には悪意がないので、取得は違法ではない。もちろん、これだけ有名な美術品が盗品か、そうでないかという疑問を持たなかったのは問題であるが、返還するかどうか。元の所有者に売り渡すかどうかは新しい取得者の意思次第だ。返還は当然として、新たな取得者が投じたお金の負担はどうするのかという問題が最後まで残る。世の中、これだけ有名な盗品ばかりではないのである。(くちなし亭、10月3日)
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