マクロン大統領の選挙戦の優位はウクライナ戦争がもたらしたものだ。

危機の時の選挙戦は現職に有利なようだ。ウクライナ戦争が起こる前には、フランスのマクロン大統領の苦戦が予想されていた。コロナ対策などの強引な手法が批判を浴びてきたからである。だが、ウクライナ戦争が勃発し、プーチン大統領との会談などを積み重ね、ニュースもほとんどがウクライナ関連に傾いた状況での、今回のフランス大統領選挙である。投票は１０日行われ、マクロン大統領の投票率が２８％。２位のルペン候補が２３％と５ポイントの差で、マクロン大統領がリードし、決選投票に進むことになった。たぶんマクロン大統領の当選は確実だろう。ウクライナ戦争に欧州各国が積極的に関与し、それに伴って、メデイアも報道している背景には、欧州首脳陣の選挙対策や不祥事批判から、国民の目をそらすという側面もあるようだ。イギリスのジョンソン首相がキーウを電撃訪問したのも、自身のコロナ下でのパーテイー騒ぎを鎮静化させる効果はあったのである。戦争にはあらゆる要素が複雑にかみ合って、引き起これ、拡大されるのである。（くちなし亭、2022.04.11）

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