IBMという会社はどういう会社だったのだろうか。とにかく、私が社会人になってから、21世紀に入る頃まで、何しろ巨人だった。もちろん、今でも、巨人なのだが、あのころは圧倒的な巨人だった。イメージ的にはコンピュータ機器メーカーというものだが、私と私の周りの人たちが使っていたコンピュータの多くは日本メーカーのものが多かったので、もう、そのころには、IBMの主力は、コンピュータ関連のサービスやコンサルテイング、さらには、ソフトウェアなどの開発に移っていたのだろう。ともかく、この圧倒的な巨人が、その基礎的な構造から、他に覇権を脅かされることなど、ありえないことだと思っていた。しかし、21世紀に入り、次々に、IBMの牙城が切り崩されていった。多くはソフトの面からであり、次に、スマフォのような機器にあたる分野にまで、及び始めた。最初に牙城に食い込み始めたのは、もちろん、マイクロソフトであったが、それに、アップル、さらに新しいクラウドやソーシャルサービス、モバイル機器の浸透で、顧客のニーズは目まぐるしく変わり、ライバルもアマゾンやグーグルなどの新興勢力に変化した。IBMのロメッティ最高経営責任者(CEO)は苦戦の理由を「業界が前例のないスピードで変化している」と説明する。
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