あんなこと こんなこと 京からの独り言

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友情

2013年12月01日 | うんちく・小ネタ
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ペットフードに関するこんなクレームがあったそうです。

「おたくの商品使ってるんだけど、<wbr></wbr>かつお節の骨がウチのワンちゃんに刺さったのよ」
私が企業のお客様相談員だったら、「<wbr></wbr>魚ですから骨くらいありますよ」と答えてしまい炎上必至。
よって、「申し訳ございません」と不条理に耐えるのみでしょう。
昔、<wbr></wbr>ペットの犬は一家の夕飯の残りをまとめて骨ごとガジガジ食べてい<wbr></wbr>たのではなかったでしょうか。<wbr></wbr>いつから小さな骨にてこずるようになったのか…。
 
最良の友として食事を共有していた時代が懐かしいです。
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ウプサラ大学(スウェーデン)のリンドブラード博士は、この「<wbr></wbr>食事の共有」こそが、犬とオオカミの違いだとネイチャー誌に発表しています。
犬はオオカミに比べて体が小さく社交的で攻撃性が低いが、<wbr></wbr>全ての犬はオオカミの子孫だとされているのです。
 
では、いつ犬はオオカミから離れたのか。
DNA研究によると、犬がペットになった時期は約1万年前で、<wbr></wbr>これは人類の農耕のはじまりと同時期。
つまり、麦や稲という農作物の傍らに人間と犬がいて、<wbr></wbr>ともにデンプンを糖に分解して吸収する能力を獲得していったことになります。これを「<wbr></wbr>平行進化」というようですが、進化を共にしたのですから、これ以上の「友情」<wbr></wbr>はありません。
 
ちなみに、オオカミはデンプンを消化することが出来ません。
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                                                                   ところで、昭和の食卓に占める炭水化物の割合は今より高く、<wbr></wbr>カロリーベースで昭和21年81%、昭和40年72%。そして、<wbr></wbr>平成17年60%。
炭水化物ダイエットが浸透するとさらに減少しそうですが、<wbr></wbr>人間と犬をつないだ栄養素なのですから、共に炭水化物を食べようではないかと、<wbr></wbr>公言してみたくなります。
毎年、開催されるペット関連商品の展示会の最近の傾向は、<wbr></wbr>マダムがだっこする犬の大半がサングラスをかけていること。
単なるおしゃれなのか紫外線カットなのかは不明ですが、「<wbr></wbr>骨が刺さった」と悪態つかれても仕方がない佇まいです。
どうやら、最良の友を巡るビジネスは、<wbr></wbr>とどまるところを知らないようです。
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