昨年7月、日本青年会議所が全国の高校生約400人を対象に、領土、領海に関する意識調査を実施しました。
「この白地図に、隣国との境界線を引いて下さい」
用意された白地図は、北方領土、日本海、東シナ海の3枚。そこに国境線を引いてもらうのですが、全問正解者はわずか7人。最も正解者の多かった東シナ海でも105人だったそうです。
恥ずかしながら、私も北方の境界を間違えてしまいました。「国境は隣接する各地域の問題ではなく、国の問題」という同会議所小田氏の嘆きが胸に痛かった事を思い出しました。
確かに、隣家の落ち葉が自宅の裏庭を汚したとしたら、当然それは裏庭の問題ではなく、家と家の問題です。北方領土、尖閣諸島、竹島が報道で取り上げられる度に、私達は熱くなり、日本人を意識するのですが、もっと冷静に歴史を学び、そこに境界線が引かれた背景を知らなければ何も変わらないと思うのですが・・。
日魯通好条約調印書
教材はいくらでもあります。例えば2月7日は「北方領土の日」ですが、この日は1855年(安政元年)に、静岡県下田市で日魯通好条約が調印された日です。
本条約は日露間に通商を開くとともに、平和的な話し合いによって両国の国境を択捉島とウルップ島の間と定めたもので、これにより択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島の北方四島が日本の領土として確定したのです。
なぜロシアはこの約束を反故にしたのか。
くしくも今年はオリンピックイヤーであり、日の丸を意識する機会は多いわけですが、スポーツバーで絶叫する日の丸ペイント君、真のナショナリズムは自国を知ることから始まるのだと言ってみたくなりました。