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もうひとつの塩麹

2012年06月11日 | うんちく・小ネタ

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「塩麹」で麹の酵素を活用する理科研究の話を前に書きましたが、その直後、麹の酵素に頼らず、自ら調整した桜島大根の酵素で焼酎を作るスゴイ理科研究に取り組んでいる学校の存在を知りました。
それは、鹿児島県立錦江湾高校。地元名産の桜島大根から取り出した酵素で、桜島大根自身のデンプンを糖化し、そこに酵母を作用させて大根焼酎を作り出したのです。

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こういう学生の理科研究の場合、いくら内容が優れていても、着眼点がおもしろくなければなかなか賞はとれません。錦江湾高校の場合、その着眼点が桜島大根なのだから文句なしですね。
そして、着眼点と同様に重視される「高校生らしい発想」もこの研究には含まれていました。桜島大根が実験中に腐敗してしまうという問題点を、切り干し大根の使用で克服したのです(もちろん切り干し大根も手作り)。

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高価な設備や実験器具に頼るのではなく、日本の伝統的な保存食である切り干し大根の利用をひらめいた段階で、この研究の成功は約束されていたといえるのかも知れません。
審査員はこういう素朴な工夫にすごく弱いようすから・・。

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                          切干大根

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例えば、桜島大根のライバルとして北海道産のじゃがいもを登場させます。そして、両者が味を競う過程で桜島大根が腐敗するというピンチを、謎の体育教官が提案した「切り干し大根を使う」というアイディアで切り抜けるのです。
ラストは、その体育教官が完成した大根焼酎を飲んで涙するという大団円でどうでしょうか。
ドラマチックな理科研究になること間違いなし・・かと。

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