ピカソ・マニマニア

ピカソの91年を 詩にしました。
カテゴリーのピカソを クリックして下さると 嬉しいです。

『 哀れなるものたち  POOR THINGS 』

2024-02-06 19:02:47 | 映画

少女の恰好をし、赤ん坊の心を持った成熟した女性ベラが 冒頭の明らかに犬と鶏を継ぎ換えたような動物たちが走りまわる広い庭園で遊んでいる。

ここは天才外科医と呼ばれる教授の大邸宅。
ベラは橋から身を投げて死んだのを 教授が臨月近い彼女の胎児を脳に移植して蘇らせたのだった。

外科医自身も 狂気の父親によって体を実験台として 切り刻まれていた。

    

彼女の成長ぶりを記録させるために 一人の優秀な助手をつける。
助手はたちまち不思議な彼女の魅力のとりこなる。


時代は設定されていないが 移動は馬車のころ。


性に目覚め始めた彼女は 外の世界を知りたがり 教授を訪れた遊び人の弁護士と駆け落ちする。

実はこれは教授の謀りごとだった。


   
ロンドンからリスボン、アレキサンドリアからパリへの船旅。
老婦人に連れられた黒人の青年に 社会の仕組み等を学び。

船中のカジノで大儲けをした弁護士の金を ベラは洗いざらいアレキサンドリアの貧民に与えてしまったので 一文無しでパリで下船させられた。

寒いパリの街で途方に暮れる弁護士。

なりゆきで娼館で身を売り お金を手にするベラ。

売春に激怒した弁護士は 教授がベラの帽子のつばに縫い付けたお金を奪って一人逃げた。

ベラはそのままその館で娼婦となり 教会に行ったり、社会主義の集会に行ったり、あげく外科医となるべく勉強を始める。

と 途方もない、脳移植させられたベラの完全なる自立の成長物語。

全編140分だそうだが 先の読めない展開に 劇場内は(結構観客はいた)最後までシーンとしていた。

R-18 なのは あけすけな性描写より 人体を切り刻むシーンが多いからか。

教授の風貌が フランケンシュタインと見まごうのは 作者アラスター・グレイ(現代の作家)がフランケンシュタインとその作者メアリー・シェリーの生い立ちにインスピレーションを覚えたかららしい。

1797年 フェミニズムの創始者(彼女の出産時死亡)の母とアナキズムの父との間に生まれ、ベラのように閉鎖されて育った。

17才で後の夫となる(既婚者だった)詩人と大陸へ駆け落ち。

1817年に フランケンシュタイン を脱稿。



久し振りなのに 強烈なものを見過ぎたかも。

すぐには感想が出ない、これからも何か気づくかもしれない。



    2月1日観
         by   風呼
            



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 銀行に口座を開きに行ったら | トップ | 東京お茶の水 山の上ホテル 閉館 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事