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真・女神転生III - Nocturne/various artists

2009年12月15日 00時49分15秒 | サウンドトラック
 何度も書いていることだが、私がこれまでやったゲームで一番楽しめたのは、おそらく「真・女神転生III - Nocturne」である(もっとも、私のやったのはマニアクス版の方だったのだが)。このゲームは戦闘のテンポの良さ、仲魔づくり、仲魔の合成、そしてなにより異形でアシッドな雰囲気がピタっと来るものを感じて、ずいぶん熱狂してやった記憶がある。まぁ、ゲーム本体についてはまた書く機会もあると思うが、実はこのゲームで良かったいまひとつのものが、このサウンドトラックなのだ。前にもちらっと書いたように記憶しているけれど、ゲームの音楽というのは非常に特殊なもので、好むと好むと好まざるとにかかわらず、ゲームをやる度にほとんど強制的に聴かせられる結果、リスナーの音楽的嗜好や価値観を麻痺させるような側面が確実にあり、本来なら大して好きな音楽でもないが、無性に聴きたくなるみたいな作用がある(場合もある)。例えば、私はもう何年もやっている「FFXI」や「FFX」の音楽というのは、基本的にはそれほど好きではない....が、妙に聴きたくなったり、愛着があったりするのだが、その好例といえるかもしれない。

 ところが、「真・女神転生III - Nocturne」は、もちろんゲームそのものに対する好印象も作用しているだろうが、なにしろ、私はここに収録された「音楽そのもの」が大好きなのである。音楽そのものは目黒将司、土屋憲一、田崎寿子の3名が分担して担当しているようだが、メインとなるのは目黒将司の作品のようだ。とにかく1曲目「タイトルループ1」から壮大なスケールと妖しげ雰囲気に魅了される。「真・女神転生III - Nocturne」の音楽は基本的にはアシッドテクノだと思う。アシッドテクノといってももちろん様々だが、私の場合、ここに収録されたような終末っぽいアシッドテクノが好きなのである。「啓示」や「新宿衛生病院」「東京受胎」といった曲では、アコピとシンセの浮遊する白玉サウンド、そしてブチブチいうリズムが組み合わさって、独特なアシッド空間を生み出していて、たまにWalkmanなどで聴くと、街に風景がぐにゃりと溶解するような感覚を味わったりする。「シブヤ」「ギンザ」「イケブクロ」「カブキチョウ」「カグヅチ塔」といった地名にちなんだ曲では、典型的なアシッドな空間を作り出していて、なんとも心地よい。特に「シブヤ」の遠近感を極端にとったサウンドは秀逸。「イケブクロ」の重厚なサウンドにのって進む、半音階の摩訶不思議な雰囲気も素晴らしい(10分聴かせろと思ってしまう)。

 一方、バトル・シーンの音楽では、「通常戦闘」「通常戦闘・街」「通常戦闘・大マップ」といった曲がヘビメタ調のロック・サウンドになっている。特に「通常戦闘・大マップ」では、ブルースロックがかったハード・ロック・サウンドを展開していて、おじさんは思わず燃えてしまう(笑)。しかも、このギター・サウンドが全て打ち込みとは、当時、ずいぶん驚いたものだが、今、聴いてもつくづくよく出来ていると思う(こういうことをやらせると、日本人の器用さはさすがである。)。「ラストボス変形後戦闘」は強烈なレイブ風なサウンドでこれも聴いていて興奮してくる....といった具合に、このアルバム、なぜか異様に私にぴたりと来る音楽ばかりなのだが、あと気に入っているところをあげると、「大マップ」「大マップ・現実世界」のポップなテクノ・サウンド、メイン・テーマのヴァリエーションである「ヨスガ」の70年代風なアナログ・サウンドのシミュレーション、同じく「スタッフロール」の浄化されたムードといったところか、ここでは振れられなかったけれど、土屋憲一や田崎寿子が作った曲も作品のムードに沿って、実にいいムードを出している。という訳で、このサントラ、実をいえばここ数年、私がもっとも聴くサントラである(ゲームの内容はかなり忘れてきているが-笑)。

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