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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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ベームのブル3

2005年03月10日 00時00分00秒 | クラシック(一般)
 私はブルックナーの3番をカール・べーム指揮のウィーン・フィルのアナログ盤で慣れ親しみました。

 その後、ヨッフムの新旧盤、セル、インバルの原典版、バレンボイムの旧盤、カラヤン、アバド、スロヴァーク等々けっこうな数の演奏を聴いてきたおかげで、なんとなくべームの演奏は忘れてしまっていたのですが、2~3年前にCDで買い直したのを機に、15年ぶりくらいにべーム&VPOの演奏を聴いたところ、あまりに体にぴったりとくるというか、違和感がないのに驚きました。

 前述のいろいろなブルックナー演奏は、当初は「こうくるか」的に新鮮だったり、「ひょっとしてこれが正解?」的に意外だったりして、どれもそれなりに楽しく聴いたものでしたが、今にして思えば「あちらをたてれば、こちらがたたず」的なもどかしさのようなものも感じていたのもまた事実。つまり、なんのことはない、べーム&VPOの演奏がブル3の規範になっていたという訳です。いい方を変えれば、これを超える演奏に出会わなかったということかもしれません。

 それにしても、ここで聴ける演奏はベームの「石橋を叩いても....」式な平衡感と、純ドイツ流の重量感が、ウィーン・フィルの特有の暖色系の美音にマッチしていて素晴らしいの一語です。ことに第2楽章の平穏で静謐な雰囲気などは、ウィーン~ドイツ音楽特有の黄昏感とも表現できる音楽ですが、これがここまで絶妙に表現されているのは、ことこの楽章に関しては唯一無比じゃないでしょうか。聴いていてなんとも幸福な気分になれるんですよね。

 ついでに書けば、当時話題になったデッカの録音は、今となって多少古くさい感じがしないでもない、マルチマイク的なセッティングで録音されたらしい、オンでソリッドな感触のものではあるんですけど、今の時代に聴いても十分素晴らしいクウォリティで、往年のデッカサウンドの良さを改めて満喫させます。
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