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レーガー 弦楽三重奏曲第1番/ファレリウス・アンサンブル

2007年12月02日 15時30分44秒 | クラシック(一般)
 このところ大規模な管弦楽曲ばかり聴いてきたレーガーだが、本日聴いたのは一転して室内楽作品である。レーガーというと硬派で晦渋かつシリアスな作品を書いた後期ロマン派最終ステージの人みたいなイメージ、具体的にいえば、多少、分かりやすいシェーンベルクみたいなもんだろうと勝手に思っていたのだが、実際に変奏曲とかを聴くと意外に楽天的というか、おおらかな表情を見せるところが随所にあって、けっこうその普通さが意外だったりもしたが、この作品は室内楽のせいもあってか、こちらが抱いていた根拠のないレーガーに対するイメージに割と忠実な作品である。ドイツ伝統の生真面目さをベースに、石橋を叩いても渡らない的な堅牢な構成感と抑圧した感情表現みたいなところはブラームス的だが、時に後期ロマン的拡がりを見せる。しかしシェーンベルクほど晦渋さまではいかないといったところだろうか。

 レーガーは弦楽三重奏曲を2曲つくっているらしが、こちらは当然最初の方となる。前述のとおり、とりたてて前衛的なところもないが、かといってガチガチに保守的な訳でもないという、後期ロマン派という観点からすれば、ごくごく普通のロマン派的な室内楽作品である。第1楽章は初期のシェーンベルクの弦楽四重奏曲に似たような、いささかとりとめない沈痛な短調なテーマがあれこれと操作される、第2楽章は後期ロマン的なスケールが大きく拡がりのある緩徐楽章。第3楽章はスケルツォでかなりウィーン的な音楽になっている。第4楽章は第1~2楽章の暗さに対応する明るく喜ばしいフィナーレで、ぱっと聴きだから確かなことはいえないが、循環主題などの技法も含めて、しめくくりに相応しい込み入った構成を見せているようだ。
 なお、ファレリウス・アンサンブルは北アイルランドの団体らしく、この曲はそのピックアップ・メンバーで録音されているようだ。今時な団体らしくクリアでさっぱりしたパフォーマンスだが、ふっくらとして残響を伴った録音のせいか、3人とは思えない厚みのあるアンサンブルなのも印象に残った。

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