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SARAH VAUGHAN / Sings the Mancini

2007年12月03日 23時48分16秒 | JAZZ
 サラ・ヴォーンはエラ・フィッツジェラルドほど網羅的、体系的でもなかったが、ロジャース&ハート、ガーシュウィンなどけっこう作曲家シリースを残している。このアルバムは1964年に録音したヘンリー・マンシーニ集であるが、エラ・フィッツジェラルドはたぶんマンシーニ集を残していないので、けっこう貴重といえるかもしれない。収録曲は極めつきの名曲ばかりである。聴く前はサラ・ヴォーンのアクの強いヴィブラートとマンシーニの流麗なメロディーの組み合わせはどうかとも思っていたが、いやはや、さすがディーヴァ・サラ・ヴォーンというべきなのだろう。マンシーニの優雅な旋律美を損なうことなく、彼女独特の世界にマンシーニを引きこんでしまい、1曲目から豪快にスウィングするラストの「今宵を楽しく」まで、しばし聴きほれてしまう。

 全体に名作「ミスティ」あたりと似たようなポピュラー・ミュージック寄りの雰囲気ではあるが、プロデュースは同じクインシー・ジョーンズなので(アレンジにボブ・ジェームスの顔も見える)、バックのムードも上々である。ただまぁ、さすがに近年にわかに生命力を回復してきた感もあるマンシーニのオリジナル演奏に比べると、アレンジ面ではやや古びてしまった感がなくもない。発表当時からスタンダード入りが確定してしまったような作品、例えば「酒とバラの日々」はファンタスティックなムードを強調し、「シャレード」はシャンソン風、「ムーン・リバー」、ははミディアム・テンポのジャズ・ワルツ風といった具合にオリジナルから多少趣向をかえているが、他はけっこうオリジナル雰囲気に忠実なだけに、多少手を加えたところが古びてしまったような印象もある。ちなみに「バイ・バイ」は「ピーター・ガン」に歌詞をつけて歌っていておもしろい。

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