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MCLAUGHLIN & DELUCIA, DIMEOLA/Friday Night in S.F.

2006年03月13日 00時13分08秒 | JAZZ-Fusion
 78年に再びエレクトリック・ギターによるフュージョン路線に舞い戻ったマクラフリンですが、翌年には「Electric Dreams」を発表します。おそらく前作「Electric Guitarist」路線のアルバムと思われるのですが、入手できなかったため、ひとつ飛び越えて、例のアル・ディメオラ、パコ・デルシアとのコラボレーション第1作「Friday Night in San Francisco」を聴いてみました。次作以降はともかく本作についていえば、ディメオラとデルシアのコラボにマクラフリンが参加したという経緯のようですから、必ずしもマクラフリンのソロ・アルバムの文脈で聴くべきアルバムではないのかもしれませんが、ともあれ参加しているのは確かだし、三人揃っている時はセンターに陣取ってますから、まぁ、善しとしましょう(笑)。

 さて、このアルバム聴き物はなんといっても、冒頭に収録された「地中海の舞踏~広い河」ということになるでしょう。左チャンネルのデルシア、右チャンネルにディメオラを配したデュエットで演奏されている訳ですが、エキゾチックなスパニッシュ調の曲をふたりしてなぞりながら、ふたりがありったけのギターのテクニックを披露しつつ、絡み合い、せめぎ合い、かつ触発しあうといったインタープレイの応酬による壮絶な11分間な訳ですが、前半はディメオラ、中盤がデルシア、後半の壮絶なインタープレイの応酬はどこをとっても素晴らしいものですが、とりわけ終盤の3分間は筆舌に尽くしがたいエクサイティングさがあります。まさにジャズ史上の残る至福の11分間といえるでしょう。
 2曲目「黒い森」はマクラフリンとディメオラのデュオ。3曲目「フレボ」はマクラフリンとデルシアのデュオとなります。どちらも「地中海」ほどではありませんが、こちらもかなり高テンションです。お相手をするご両人共にマクラフリンが相手だと、一気にソリッドで硬質なムードになるのは、やはりマハビシュヌ発、シャクティ経由のゴリゴリ感をマクラフリン音楽に持ち込んでいるせいでしょうか。前者は比較的音楽的資質が似通っていたせいなのか、お互いの手の内を読み切った余裕のようなものがあり、随所に披露する遊びも以心伝心という感じ。後者はややリラックスしてますが、よくよく聴くとシタール対フラメンコみたいな異種格闘的テンションがあってこれもなかなか凄まじいものがあります。

 最後の2曲はいわゆるスーパー・ギター・トリオによる演奏です。「幻想組曲」はディメオラの作品でバラエティに富んだ小品を集めたトロピカルな作品で、後半の盛り上がりはさすがですが、三人のバトルというよりはかなり計算されたギター・アンサンブルという感じ。最後の「ガーディアン・エンジェル」はライブでなくスタジオ録音のようで、これは明らかにマクラフリンがシャクティの最後の頃のやったような、比較的リラックスした無国籍アコスティック・サウンドのスーパー・ギター・トリオ版といった趣でしょうか。
 という訳で、マクラフリンの盤歴からすると、ここでまたしてもアコスティック路線へ回帰という感じになるんですかね。なにしろこのメンツでもう一枚作ってしまう訳ですし....。ただ、この時期になってくると、そういう区切りもマクラフリンの中では、かつてほどはっきりと峻別しなくなってきているような感じもしないでもないです。

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