本日、出張帰りにショップで購入してきたアルバムである。私がムーティのアルバムで最初に聴いたのは、確かフィラデルフィアとの「ローマ三部作」だったと思うけど、このアルバムは更に遡って、彼がデビューしたての頃、つまり70年代終盤の頃に作った全集である。このアルバムが当時どういう評価を得ていたのか、私は全く覚えていないけれど、おそらくフィラデルフィアの常任就任への伏線としての、昇り調子だったフィルハーモニア時代ということもあり、きっと高い評価を得ていたに違いない。デビュー直後のムーティは、その直線的でフレッシュな勢いと豊麗な歌い回しでもって、トスカニーニの再来みたいな評価を得ていたはずだけれど、このアルバムもまさにそういう演奏になっている。もっとも、未だ1番を聴いただけだが....。
という訳で、この1番はとてもフレッシュな演奏である。テンポは全体に早く、若さ故の勢いのようなものが全編にみなぎっているという印象である。第1楽章の序奏部もぐすぐすせず第1主題に向けて一気に走り抜けるという感じだし、主題が登場してからも一瀉千里とばかりに進んでいく。前回も書いたとおり、シューマンの交響曲はある意味渋く、響きがモヤモヤしているので、こんな風にいささか強引にベートーベン寄りな直線的流れを演出してしまうは、音楽的に正解かどうかという点ではいろいろな意見はあるだろうけれど、ひとつのやり方ではあると思う。ともあれ、その若武者然として颯爽としている演奏は、いかにもこの時期のムーティらしいところだと思う。第2楽章はややその直線性が裏目に出て、この楽章のコクというかロマン性のようなものがちと後退しているように思わないでもないが、旋律は十分に歌っているし、弦を主体としたサウンドの美しさもあり、とりあえず不満はない。
第3楽章は遅目のテンポでかなりじっくりと演奏している。いや、本当はそれほど遅くはないのかもしれないが、かなり入念にスケルツォを歌い込んでいるため、そう聴こえるのかもしれない。一方トリオはかなりくっきりとスケルツォとは対照させていて、全体にかなりメリハリがある演奏になっていると思う。最終楽章は前回のラハバリとBRTフィルの演奏ではブラームス的なものを感じたが、ムーティーの演奏ではやはりベートーベン的な覇気を感じさせる。また、金管などもかなりテンションが高く、盛大に鳴り響いており、時にブルックナーあたりを思わせるものすら感じさせたりもする。要するにシューマンの交響曲というのは、そういう風にも解釈しうるヴァーサタイルさがあるというか、いろいろな意味で過渡期の作品だったんだろうと思ったりもした....。
....などと、こんな風に演奏を聴き比べをしていくと、やがて次から次へ演奏を買い込んではめになる。事実、これと一緒にインバルの全集も買い込んできたし、ネットでいくつかの演奏も既に注文済だ。これって危険信号か、まぁ、シューマンの交響曲を今度こそ好きになれそうだから、良しとするか(笑)。
という訳で、この1番はとてもフレッシュな演奏である。テンポは全体に早く、若さ故の勢いのようなものが全編にみなぎっているという印象である。第1楽章の序奏部もぐすぐすせず第1主題に向けて一気に走り抜けるという感じだし、主題が登場してからも一瀉千里とばかりに進んでいく。前回も書いたとおり、シューマンの交響曲はある意味渋く、響きがモヤモヤしているので、こんな風にいささか強引にベートーベン寄りな直線的流れを演出してしまうは、音楽的に正解かどうかという点ではいろいろな意見はあるだろうけれど、ひとつのやり方ではあると思う。ともあれ、その若武者然として颯爽としている演奏は、いかにもこの時期のムーティらしいところだと思う。第2楽章はややその直線性が裏目に出て、この楽章のコクというかロマン性のようなものがちと後退しているように思わないでもないが、旋律は十分に歌っているし、弦を主体としたサウンドの美しさもあり、とりあえず不満はない。
第3楽章は遅目のテンポでかなりじっくりと演奏している。いや、本当はそれほど遅くはないのかもしれないが、かなり入念にスケルツォを歌い込んでいるため、そう聴こえるのかもしれない。一方トリオはかなりくっきりとスケルツォとは対照させていて、全体にかなりメリハリがある演奏になっていると思う。最終楽章は前回のラハバリとBRTフィルの演奏ではブラームス的なものを感じたが、ムーティーの演奏ではやはりベートーベン的な覇気を感じさせる。また、金管などもかなりテンションが高く、盛大に鳴り響いており、時にブルックナーあたりを思わせるものすら感じさせたりもする。要するにシューマンの交響曲というのは、そういう風にも解釈しうるヴァーサタイルさがあるというか、いろいろな意味で過渡期の作品だったんだろうと思ったりもした....。
....などと、こんな風に演奏を聴き比べをしていくと、やがて次から次へ演奏を買い込んではめになる。事実、これと一緒にインバルの全集も買い込んできたし、ネットでいくつかの演奏も既に注文済だ。これって危険信号か、まぁ、シューマンの交響曲を今度こそ好きになれそうだから、良しとするか(笑)。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます