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ポール・マッカートニー/ヤァ!ブロード・ストリート

2007年10月21日 23時15分46秒 | Beatles
 私は70年代後半から約10年間の間、ポールの作品、具体的にいえば「バック・トゥ・ジ・エッグ」から「プレス・トゥ・プレイ」くらいまでの作品はほとんど聴いていない。この時期のポールの作品というと、「タッグ・オブ・ウォー」を除けば、どれもあまり評価が芳しいものではなく、「パイプス・オブ・ピース」と「プレス・トゥ・プレイ」の狭間に発表された本作なども、ほんどクソミソに叩かれていたような記憶がある。なにしろ、大失敗した映画のサントラというイメージはマイナスだったし、本人の新曲の他、ビートルズ作品まで再演しているところも、なにをいまさら的ネガティブ感を倍加したようで、熱心なファンであればあるほど、この作品には落胆したみたいな感想が多かったようだ。

 まぁ、そういった作品なので、私自身あまり期待することなく聴いたのだが、これがなかなかいい。傑作とか好作品とかいうつもりはないけれど、ここで聴けるのは個人的にとても好きな音なのだ。評価と好みというのは得てして一致しないものだが、この作品などさしずめ「胸を張って人にはお奨めできる作品ではないけれど、個人的には好きな音」の典型というところかもしれない。ここで聴ける音は典型的に80年代の音だ。アート・オブ・ノイズ風なテクノ・ビート+アンビエント・サウンド、ブルーアイド・ソウル、別ヴァージョン、デジタル・リバーブばりばりの光沢あるサウンドと、まさにあの時代の音がポールのアルバムから聴こえてきたのは、けっこう意外だった。また、それがまたポールのキャラにけっこうマッチしていたのもまた意外で楽しかったのである。

 ともあれ、このアルバムの聴きどころといえば、いかにも80年代らしく沢山のヴァージョンが収録された「ひとりぼっちのロンリー・ナイト」ということになろうか。オリジナルは、デビッド・ギルモアやエリック・スチュアートをフィーチャーして極上のAORサウンドで、ちょっと「アイム・ノット・イン・ラブ」っぽい人工コーラスが聴こえてきたりするあたりはニヤリ。テクノ・ファンク的なリズムが大々的に鳴り響くその他のヴァージョンでは、それこそアート・オブ・ノイズに急接近したりする。そういえばこの「フラワーズ・イン・ザ・ダート」ではトレバー・ホーンが登場したが、こちらにはアン・ダッドリーがクレジットされているし、ポールとアート・オブ・ノイズってけっこう相性良かったのだろう。まぁ、そういう音である。ちなみにビートルズ・ナンバーの再録は可もなく不可もなしといったところ。

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