1963年の発表のビートルズ、歴史的デビュー・アルバムである。ブライアン・エプスタインの東西奔走もあって、ようやくEMIと契約に漕ぎ着けたビートルズが、1962年のデビュウ・シングルの「ラブ・ミー・ドゥ」がますまずヒット、続く「プリーズ・プリーズ・ミー」が念願のナンバー1ヒットになったことを受け、急遽制作されることとなったもので、収録された14曲のうち4つは既発シングル収録曲だから、当日録音されたのは10曲ほどだが、ビートルズはこれをほぼ一日(10時間くらいだったらしい)で録音が終了したとか、当日のジョンは風邪を引いていて、最後の「ツイスト&シャウト」は喉がつぶれる寸前だったので、ほとんどぶっつけであのテイクを決めたとかいうエピソードは、ビートルズ・デビュウ期を彩る伝説のひとつになっている。
ポールのカウントから始まる「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」に始まり、ジョンの絶叫で締めくくる「ツイスト・アンド・シャウト」まで、当時のビートルズのもっていたフレッシュで荒々しいパワーがビビッドに伝わってくるアルバムだが、同時に「アスク・ミー・ホワイ」「P.S.アイ・ラヴ・ユー」「ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット」といったバラード系の作品も魅力的だ。ビートルズはデビュー当時からロック系の作品とは、ひと味違ったこうしたメロディックな感覚があったこと忘れられないところで、いわばこれらを両極として、その中間に6曲のカバー作品なども折り込み、デビュウ・アルバムの仕上がりとしは意外にも多彩な仕上がりになっているのだ。まぁ、このあたりはキャバーン・クラブその他での経験がものをいっているのだろうが、このアルバムにはデビュウ作らしいその瑞々しさ、若々しさといった魅力は当然あるにしても、それと同時に「既に十分に鍛錬され、手の内が沢山あるバンド」というプロ的な感覚が物をいっていることも忘れられないと思う。
さて、今回の新リマスターでは、初期の4作が従来のモノラルからステレオ・ヴァージョンに切り替わったのが話題といってもいいだろう。ここでも何度も書いているとおり、もちろんモノラル・ヴァージョンも発売されてはいるのだが、あちらは分売もされないマニア向けの限定発売だから、アーティスト側もここにいたって公式音源として、晴れてステレオ・ヴァージョンを認定した....といってもいいかもしれない。とにかく、その是非についてはこれからも、笑えるほどに議論噴出であろうが、なにはともあれ、これからしばらくの間は泣いても笑っても、「公式なビートルズの音」はコレなのである。(続く)
ポールのカウントから始まる「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」に始まり、ジョンの絶叫で締めくくる「ツイスト・アンド・シャウト」まで、当時のビートルズのもっていたフレッシュで荒々しいパワーがビビッドに伝わってくるアルバムだが、同時に「アスク・ミー・ホワイ」「P.S.アイ・ラヴ・ユー」「ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット」といったバラード系の作品も魅力的だ。ビートルズはデビュー当時からロック系の作品とは、ひと味違ったこうしたメロディックな感覚があったこと忘れられないところで、いわばこれらを両極として、その中間に6曲のカバー作品なども折り込み、デビュウ・アルバムの仕上がりとしは意外にも多彩な仕上がりになっているのだ。まぁ、このあたりはキャバーン・クラブその他での経験がものをいっているのだろうが、このアルバムにはデビュウ作らしいその瑞々しさ、若々しさといった魅力は当然あるにしても、それと同時に「既に十分に鍛錬され、手の内が沢山あるバンド」というプロ的な感覚が物をいっていることも忘れられないと思う。
さて、今回の新リマスターでは、初期の4作が従来のモノラルからステレオ・ヴァージョンに切り替わったのが話題といってもいいだろう。ここでも何度も書いているとおり、もちろんモノラル・ヴァージョンも発売されてはいるのだが、あちらは分売もされないマニア向けの限定発売だから、アーティスト側もここにいたって公式音源として、晴れてステレオ・ヴァージョンを認定した....といってもいいかもしれない。とにかく、その是非についてはこれからも、笑えるほどに議論噴出であろうが、なにはともあれ、これからしばらくの間は泣いても笑っても、「公式なビートルズの音」はコレなのである。(続く)
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