1970年代頃、ロックの映像情報が圧倒的に欠乏していたの日本のロック・ファンがその渇望を癒すべく、貪るように観ていたのが、NHKが不定期にやっていた「ヤング・ミュージック・ショー」という番組。ストーンズの「ハイド・パーク」に、クリームの「ラスト・コンサート」、「スーパー・セッション」などなど、この番組には本当にお世話になりました。そんな「ヤング・ミュージック・ショー」で忘れられないプログラムのひとつが、73年に放映されたエルトン・ジョンのオーケストラ帯同ライブ。
当時のエルトン・ジョンって、「クロコダイル・ロック」なんかをヒットさせ、シンガー・ソング・ライターっていうイメージじゃなく、むしろグラム・ロック的にギンギラギンなシンガーってな感じでしたから、こういう格調高いライブでもって、改めてエルトン・ジョンのイメージが更新されたというか、矯正されたのでした(実はそのどっちもエルトンの実像ではあることは周知の通り)。いずれにしても、この番組を録ったテープを私は毎日毎日飽きずに聴いて、その後、名作「エルトン・ジョン」を購入して、その次に....という経緯をたどってますから、当時ラジオで盛んにオン・エアされていたシングル・ヒットを除けば、この「ヤング・ミュージック・ショー」の音が、私の本格的エルトン・ジョン初体験だったという訳です。
ところがこの映像、その後観たこともないし、音源がCD化されたという話も聞いたこともありません。もう一回あれを観たい、いや聴きたい....。思えば、そんな渇望をもう20年くらい抱き続けている訳ですが(笑)、87年にそれを半分くらい満足させてくれるかもしれないアルバムが発売されました。それがこの「Live In Australia」というライブ盤なのです。
このアルバム、録音は85年と新しいものの、72年頃のオーケストラ帯同コンサートを再現したツアーを収録したライブ盤ということで、大いなる期待のもとに購入した訳ですが、結果は無惨でした。なにしろ、エルトンのボーカルが潰れてかすれ気味で、高域がほとんど出ていないという非常に苦しいコンディションだったんです。曲は72年頃のものばかり、デジタル録音でオーケストラの音はとてもブリリアントと、お膳立てはすべて揃っていたハズで、オーラス前に「布教本部を焼き落とせ」でもって、大いに盛り上がるあたり、あの時と全く同じ趣向だっただけに、なんとも残念でした。(あっ、そうそう、その後「ヒア・アンド・ゼア」の拡大版も出たましたけど、あれのディスク1にオケが入っていたら、かなり近い線だったんですがね~)。
という訳で、この「Live In Australia」からですらもう十数年経つのに、私は未だに「ヤング・ミュージック・ショー」の映像と音に再会できていません。近年の「ワン・ナイト・オンリー」など聴くと、仮に今あれと同じことをやっても、「Live In Australia」以上に声は出ないことは必至ですから、おそらく再現というのはありえないでしょう。となると、オリジナルが発掘されるまでは、この作品で我慢するしかないのでしょうか。なんか最近では、ヤング・ミュージック・ショーと「Live In Australia」が記憶が浸食し合っているようで、「あれ、ヤング・ミュージック・ショーのオープニングは「ユア・ソング」だったっけ、それとも「60歳の時」?」みたいにごちゃごちゃになってきてます(笑)。こうなったらブートに手を出しちまおうかなぁ、いや、いかん、いかん....などと煩悶しながら、今日も私は「Live In Australia」を聴くのであります。
※ 個人的メモ:ヤング・ミュージック・ショー/エルトン・ジョン
収 録:72/02/05、ロイヤルアルバートホール / 放映日:73/10/28、74/03/23
曲 目:Your Song/Take Me To the Pilot/Sixty Years On/Tiny Dancer/The King Must Die/Indian Sunset/Border Song/Madman Across the Water/Burn Down The Mission/Goodbye
当時のエルトン・ジョンって、「クロコダイル・ロック」なんかをヒットさせ、シンガー・ソング・ライターっていうイメージじゃなく、むしろグラム・ロック的にギンギラギンなシンガーってな感じでしたから、こういう格調高いライブでもって、改めてエルトン・ジョンのイメージが更新されたというか、矯正されたのでした(実はそのどっちもエルトンの実像ではあることは周知の通り)。いずれにしても、この番組を録ったテープを私は毎日毎日飽きずに聴いて、その後、名作「エルトン・ジョン」を購入して、その次に....という経緯をたどってますから、当時ラジオで盛んにオン・エアされていたシングル・ヒットを除けば、この「ヤング・ミュージック・ショー」の音が、私の本格的エルトン・ジョン初体験だったという訳です。
ところがこの映像、その後観たこともないし、音源がCD化されたという話も聞いたこともありません。もう一回あれを観たい、いや聴きたい....。思えば、そんな渇望をもう20年くらい抱き続けている訳ですが(笑)、87年にそれを半分くらい満足させてくれるかもしれないアルバムが発売されました。それがこの「Live In Australia」というライブ盤なのです。
このアルバム、録音は85年と新しいものの、72年頃のオーケストラ帯同コンサートを再現したツアーを収録したライブ盤ということで、大いなる期待のもとに購入した訳ですが、結果は無惨でした。なにしろ、エルトンのボーカルが潰れてかすれ気味で、高域がほとんど出ていないという非常に苦しいコンディションだったんです。曲は72年頃のものばかり、デジタル録音でオーケストラの音はとてもブリリアントと、お膳立てはすべて揃っていたハズで、オーラス前に「布教本部を焼き落とせ」でもって、大いに盛り上がるあたり、あの時と全く同じ趣向だっただけに、なんとも残念でした。(あっ、そうそう、その後「ヒア・アンド・ゼア」の拡大版も出たましたけど、あれのディスク1にオケが入っていたら、かなり近い線だったんですがね~)。
という訳で、この「Live In Australia」からですらもう十数年経つのに、私は未だに「ヤング・ミュージック・ショー」の映像と音に再会できていません。近年の「ワン・ナイト・オンリー」など聴くと、仮に今あれと同じことをやっても、「Live In Australia」以上に声は出ないことは必至ですから、おそらく再現というのはありえないでしょう。となると、オリジナルが発掘されるまでは、この作品で我慢するしかないのでしょうか。なんか最近では、ヤング・ミュージック・ショーと「Live In Australia」が記憶が浸食し合っているようで、「あれ、ヤング・ミュージック・ショーのオープニングは「ユア・ソング」だったっけ、それとも「60歳の時」?」みたいにごちゃごちゃになってきてます(笑)。こうなったらブートに手を出しちまおうかなぁ、いや、いかん、いかん....などと煩悶しながら、今日も私は「Live In Australia」を聴くのであります。
※ 個人的メモ:ヤング・ミュージック・ショー/エルトン・ジョン
収 録:72/02/05、ロイヤルアルバートホール / 放映日:73/10/28、74/03/23
曲 目:Your Song/Take Me To the Pilot/Sixty Years On/Tiny Dancer/The King Must Die/Indian Sunset/Border Song/Madman Across the Water/Burn Down The Mission/Goodbye
最近ちょっと忙しくコメントも確認していませんでしたが、
リンク先からたどって、さっそく見せていただきました。
いやぁ、とても懐かしいの同時、やはり凄いパフォーマンスです。
この時期のエルトンはレノン&マッカートニーに匹敵していたかも....
などと思ってしまいました。いい物を見せていただきました。
私もエルトン大好きです
リアル・タイムでは観てないのですが・・・
思い出のTV番組、私なりに再現してみました
http://ameblo.jp/tkms63/entry-10374887295.html
古いものなので、満足いただけるか判りませんが(;^_^A
/ モノラルのカセットテレコで録音したものです
実は昨年の今頃でしたか、一念発起して物置の積んである段ボールの中に雑然と詰め込んであったカセットテープの検索作業をして、発見しております。テープそのものはそれほど劣化していなかったのが幸いでした。とりあえずパソコンに取り込んで、素人ながら整音作業して、ある程度音の鮮度を上げた状態でiTunesにとりこみました。その夜はまさにタイムスリップでしたね。改めて聴いてもこの時期はヴォーカルは、テンションといい、のびやかな声質といい、別格です。ポールバックマスターが指揮するRPOの大仰さもいいし....もう最高でした。どろぶるさんも早くテープが切れないうちにデジタル化してください(笑)。
私、73年のNHKヤングミュージックショウ エルトンジョンのライヴの音源持っています。
といっても当時、モノラルのカセットテレコで録音したものです。でもマイク入力で無く一応ラインイン録音ですのでCD音質と比べるとひどいものですが、それなりに聞けます。
とにかく全ての曲が素晴らしい!エルトンの声もこの時のものが最高です。60歳のとき(SIXTY YEARS ON)なんか聞くと涙がいまだに出てしまいます。
YOU TUBEでアップしたいと考えてはいるんですが、どうなることやら・・・
何らかの方法で音源をお伝えできればと思いますが・・・。
TRISTEさん、まいど
/私の場合は、最初にTVで見たYMOだったんですが
なるほど、ところでNHKでやったYMOのライブで、冒頭にのクレジットかなにかのところで、「キャスタリア」が流れる番組はなんだったんだですかね。確か80年くらいだったと思うんですが....。
んな訳でこちらでも、よろしく。
こういう最初の強烈な記憶というのは、ほとんど刷り込み状態になってしまうんですよね。で、それをいつまでも求めてしまうという。
私の場合は、最初にTVで見たYMOだったんですが、それは十数年後に「TV-YMO」というLDが出てくれたおかげで解消されました。あの時は、「俺の記憶にあるとおりの演奏だあ!!」というので非常に感動したおぼえがあります。
でも、ヤング・ミュージック・ショーというのは、ほんとにいい番組でした。ライブをそのまんま流してくれて、変な編集をしてなかったのがよかったです。私としては、今でも、クラッシュとかロッド・スチュワートとかスティクスとかデビッド・ボウイとかのを発掘して再放送あるいはどこかで発売してくれないかな、という思いがありますが、どうもマスターが残ってないみたいですね。ちょっと前にキッスの日本公演が「NHKアーカイヴス」で放送された時に、そんなことを聞きました。