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植松伸夫,水田直志&谷岡久美/Final Fatntasy XI

2007年09月25日 23時47分36秒 | サウンドトラック
 当ブログは一応音楽ブログで、それもかなり包括的に音楽を扱っているせいで、私自身様々な音楽を聴いているつもりなのだが、ここ2年くらい一番聴いた音楽というと、実はこのFFXIのサウンドトラックなのではないかと思う。なにしろここ2年ほどこのゲームやりつづけ、様々なシチュエーションでサウンド・トラックを否応なく聴いてきた訳だから、単に聴いた頻度でいうならけならダントツでトップなのは間違いない。まぁ、逆にいうと、そうした音楽であるが故に、サントラなど買って聴くまでもないと思っていたのもまた事実だし、そもそもゲームのサントラを購入するのは、私の場合決まってゲームをクリアした後なのである。ところが、本日仕事帰り某中古書店に立ち寄ったところ、これと「ジラートの幻影」が一枚1000円くらいで売りにだされていたので、ちと気紛れを起こして購入してきてみた。

 今まで全く知らなかったのだが、これのサントラはメインとなる楽曲のほとんどは水田直志が作曲し、補助的に谷岡久美、FF音楽の元祖、植松伸夫は数曲提供しているものの、ほとんど監修という立場で参加しているようだ。音楽的には毎日聴いているものが多いので特になんということもない、特段の発見も新鮮さも特には感じなかったが、あえていえば、ゲームディスクに収録された圧縮音源はなく、無圧縮で収録されたリニアな音を高級ハイファイ装置で聴くと、細部までくっきりと見渡せ、「へぇ、あそこのエリアの音楽ではこういう音が鳴ってたのねぇ」とは思った(とはいえ、私はPS2をAVアンプを繋げて5.1chで再生しているので、画面はともかく音的にはかなりリッチな環境で聴いてはいるだが)、どの楽曲も日本人らしくかなり強力に作り込まれていて、音楽の情報量、密度はかなり高いのである。しかも、どの楽曲もあまり強烈に個性を自己主張するようなことなく、ゲームの効果音の一種として、更にはオンラインゲームという性格を考慮したのか、比較的地味でかつ機能性を重視した飽きのこない仕上がりになっているのは、ある意味でさすがといえる。つまり、すぎやまこういちの「ドラクエ」とは対照的なのである。

 音楽的には、ドラマの象徴的、情念的、ドラマチックな部分は植松、このゲームで組み立てられた「世界の風景を音楽で箱庭化」する作業はもっぱら水田、そのヴァリエーションを広げるために谷岡が色を添えているというところだろうか。水田はもともとロック系のギタリストなのだろうか、アーシーでブルージーなアコスティック・サウンドをテクノ的サウンドにのっけるというような試みを随所で行っていて(「バタリアのテーマ」など)、これはこのゲームの冒険者というイメージを上手く表現していると思う。一方、谷岡は非常にクラシカルなオーケストレーションでもって壮麗なサウンドをつくっていて(「バストゥークのテーマ」など)、全般に-良い意味で-緩い水田の音楽に対して、いいスパイスになっていたと感じ、個人的に彼女の音楽はとてもいいなぁと思った。これ以降のサントラはもっぱら水田が担当しているようで、彼女の出番は目下のところないようなのだが、次のディスクでは彼女の壮麗な音楽も復活してくれたらな....などとこれを聴きながらふと感じてしまった。

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1 コメント

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Unknown (Aamel)
2007-09-28 11:52:18
私も谷岡さんの音楽はとても好きです。いろいろお忙しいみたいですしね。FF11には帰ってくるのかどうか。せめてバンドの方のスターオニオンズの活動は
続けていって欲しいです。
FFCCの音楽、特に主題歌(?)は一時とても気に入って聞いておりました。ヨーロッパ中世古楽器のアコースティックサウンドにのせた女声ボーカルはとてもお勧めです。
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