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ハイドン 交響曲 第37番「先回り」/フィッシャー&オーストリア・ハンガリー・ハイドンPO

2009年12月14日 11時57分55秒 | ハイドン
 こちらは32番と同様、緩徐楽章とメヌエットが逆に配置された4楽章作品です。作品表を見てみると、モルツィン伯爵家に居た頃の作品となっていますから、恐らく彼の交響曲でもかなり初期の作品なのでしょう。緩徐楽章とメヌエットが逆になっている特徴を除けば、全体としては、ハイドン的手練手管、交響曲的な重厚さといったものより、一気呵成に仕上げた、一筆書きみたいな潔さがある作品という感じがします。
 第1楽章はプレスト、いきなり打楽器がぶちかましてます(偶然でしょうが、前述32番もそんな感じで始まってます)。なにしろプレストなので早い、早い。くるくる回るような弦のモチーフが打楽器も交えてテンポ良く進んでいく様は、さながらシュトラウス「雷鳴と電光」ばりといったところでしょうか。第2楽章のメヌエットはやはり打楽器が冒頭から鳴っていて、一瞬ぎょっとします。ただ、このメヌエットだと、むしろ存在感があるのは短調の厳かなムードで進むトリオの方ですかね。一転して室内楽風な構成で演奏されるのもいいアクセントになってます。

 緩徐楽章は第二楽章のトリオのムードを引き継いだような、ほんの少し宗教的な雰囲気のある趣になっています。時に感情的な高ぶりを暗示させたりしつつも、基本は平穏さや厳かな気分に回帰していくというパターンは、ドイツ~オーストリア流儀の典型的な緩徐楽章という感じですかね。最終楽章は2分ちょいで終わるみじかいつくりになっています。第1楽章に呼応しているのか、こちらもプレストですが、低弦が活躍するせいか、けっこうゆったりとしています。最後に盛り上がるフィナーレというよりは、むしろコーダみたいな感じでしょうか。
 標題は第1楽章と第2楽章の冒頭でいきなりドーンと入ってくる打楽器の響きが、まずはリスナーの先手を打ってやろうみたいな、茶目っ気を感じさせるので、そのあたりからまずは「先手必勝」などという言葉も思い浮かびましたが、そこはもう少し柔らかい感じで「先回り」とさせていただきました。

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