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ブラームス交響曲第3番/マゼール&BPO

2005年11月11日 19時51分45秒 | ブラームス
 秋から冬にかけて聴きたくなるクラシックといえば、私の場合、ブラームスにとどめを指す。ブラームスのどっちつかずの性格を反映したとしか思えない云ったりきたりのメロディーに、なにやら鬱蒼として抑圧しているようでいながら、強烈にロマン派的な側面を思わず出してしまうあたり、秋から冬にかけてまさにぴったりなのである。私がブラームスの全作品の踏破目指したのは何歳くらいことだったか、もう忘れてしまったけれど、毎年、今ぐらいの季節になると少しづつ進めているところだ。ブラームスの場合、合唱曲とか歌曲、あとオルガン曲などは晦渋なものが多く、なかなか先に進まないのだけれど、今年も1曲や2曲はブラームスのお気に入りを増やしたいと思っている。

 さて、晦渋な作品が多い彼の作品でも、この交響曲第3番は美しい旋律に満ちた、とてもわかりやすい作品で、秋になると聴きたくなるブラームス作品の筆頭にくる作品だ。特に魅力的なのはその昔「さよならをもう一度」で使われた第3楽章で、憂愁の雰囲気をたたえた美しい旋律は一度聴いた忘れられないようなタイプのものだと思う。これに比べればぐっと渋いが、第2楽章最後近くの涙を堪えて微笑んでるみたいな部分、なんと形容してよいやらが言葉が思い浮かばないような感情だけれと、こういうのって典型的にロマン派的なものだと思う。ちなみに両端楽章はベートーベン的に精力的なものだが、ベートーベンのようになりきれずところどころ叙情的な表情が顔を出すのが、ベートーベンになろうとしたけれど、結局典型的に18世紀のロマン派楽士だったブラームスらしいところで、こういう部分も味わい深い。

 演奏は手近なところで、先日購入したマゼール&BPOのボックス・セットに入っていた演奏を聴いてみた。この時期のマゼールらしいアクの強い演奏かとも予想したが、意外にまっとうというか、公的ブラームス像に忠実に演奏という感じ、両端楽章の推進力は当時のマゼールの若さでもって小気味よく演奏したという感じだし、真ん中のふたつの楽章もよく歌っていると思う。あと、前回も書いたけれど、この当時のベルリン・フィルにはまだ往年の重厚な音色が色濃く残っていて、素材がブラームスだけに、そういう特色が遺憾なく発揮されているとも思った。ほんとうにこれ音色だけでも楽しめるくらいである。
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