・アラウ(Live`82)
先日のCDとほぼ同時期のザルツブルグ音楽祭でのライブ。例の振りかぶったようなドラマチック身振り、ずしりとくる低重心の重厚さ、風格に満ちた威厳といったものが満ち満ちた演奏。つまり、ほぼスタジオ同様な演奏な訳だけれど、心持ちテンポを早目に演奏しているようで、スタジオに比べ約2分ほど演奏時間が短い。雰囲気的にもライブ特有ないくら上気したような一気呵成な勢いのようなものがあり、噛んで含めるような周到なスタジオ盤に比べると、生演奏らしい音楽的感興がある(その分ミスタッチもあるが)。
・リヒテル(Live`66)
ようやく入手、同時に収録された協奏曲の方はマーキュリーの録音だったが、こちらはスタッフが違うようで、ややナロウでモノラル的な音場なのが惜しいが、やはり劣悪な圧縮ノイズのない、自然な音でこの演奏を聴けるのはうれしい。演奏はもの凄い力感と男らしい剛毅さがあり、同曲の演奏にありがちな「だれがちな場面」でも弛緩する一切なく、最後まで一気に聴かせてしまう。この人の推進力はやはり素晴らしいとしかいいようがない。ただ、何回は聴いた感じでは、前回取り上げた某動画サイトのライブ音源とはどうも違う演奏のようだ。調べてみるとあちらは65年のカーネギーホールのライブのようで、これ以上に壮絶なテンションを感じさせるものだったのだが...。
・ボレット
60年の録音だからデッカで活躍する前の旧録になるのだろう。いかにも19世紀の生き残りといった感じの、これまた大上段から振りかぶったようなドラマチックな演奏である。ただし、アラウほど低重心な演奏ではなく、煌めくような中高域のクリアな響きが、いかにも華麗な印象を残す演奏となっている。第3部の畳み掛けるような展開など、ブリリアントで華麗極まりない演奏なのだが、この人の場合、「リスト弾き」ということで有名にはなったけど、こういう華麗さはむしろショパンなどの線で、この曲を料理している感じもする。
・ポゴレリチ
わお、これは序盤から非常におもしろい演奏だ。ダイナミクスや緩急などがオヤっと思うところの連続。また、第2部では陶酔していそうな部分と冷静沈着さが交錯しているようなところもあったり、テクニカルな第3部でも技術的には楽々弾いている印象だが、妙にひっかかるようなテンポや表情があり、実にユニークな演奏というイメージである。目下のところ、それがおもしろい止まりなのか、クリエティブな試みなのかはよくわからないところもあるのだが、確かにデビュー直後、その特異な演奏で一斉を風靡していた頃の天衣無縫なオーラが伝わる演奏ではある。
・ユジャ・ワン
彼女のデビュー・アルバムからの演奏。ヴェルビエ音楽祭2008の演奏が凄すぎたのか、単に映像がないせいなのか(笑)、よくわからないところもあるが、あれに比べると、傷のない録音を目指したしたのか、このスタジオ盤は多少おとなしく優等生風のイメージで演奏している。ただし、その凄まじい技巧とカッキーンと鳴る打鍵の鋼鉄のようなタッチ、そして、しなやかなリズム感のような相変わらずだし、逆に妙に落ち着き払ったその演奏はスタンダードな風格すら漂う。
先日のCDとほぼ同時期のザルツブルグ音楽祭でのライブ。例の振りかぶったようなドラマチック身振り、ずしりとくる低重心の重厚さ、風格に満ちた威厳といったものが満ち満ちた演奏。つまり、ほぼスタジオ同様な演奏な訳だけれど、心持ちテンポを早目に演奏しているようで、スタジオに比べ約2分ほど演奏時間が短い。雰囲気的にもライブ特有ないくら上気したような一気呵成な勢いのようなものがあり、噛んで含めるような周到なスタジオ盤に比べると、生演奏らしい音楽的感興がある(その分ミスタッチもあるが)。
・リヒテル(Live`66)
ようやく入手、同時に収録された協奏曲の方はマーキュリーの録音だったが、こちらはスタッフが違うようで、ややナロウでモノラル的な音場なのが惜しいが、やはり劣悪な圧縮ノイズのない、自然な音でこの演奏を聴けるのはうれしい。演奏はもの凄い力感と男らしい剛毅さがあり、同曲の演奏にありがちな「だれがちな場面」でも弛緩する一切なく、最後まで一気に聴かせてしまう。この人の推進力はやはり素晴らしいとしかいいようがない。ただ、何回は聴いた感じでは、前回取り上げた某動画サイトのライブ音源とはどうも違う演奏のようだ。調べてみるとあちらは65年のカーネギーホールのライブのようで、これ以上に壮絶なテンションを感じさせるものだったのだが...。
・ボレット
60年の録音だからデッカで活躍する前の旧録になるのだろう。いかにも19世紀の生き残りといった感じの、これまた大上段から振りかぶったようなドラマチックな演奏である。ただし、アラウほど低重心な演奏ではなく、煌めくような中高域のクリアな響きが、いかにも華麗な印象を残す演奏となっている。第3部の畳み掛けるような展開など、ブリリアントで華麗極まりない演奏なのだが、この人の場合、「リスト弾き」ということで有名にはなったけど、こういう華麗さはむしろショパンなどの線で、この曲を料理している感じもする。
・ポゴレリチ
わお、これは序盤から非常におもしろい演奏だ。ダイナミクスや緩急などがオヤっと思うところの連続。また、第2部では陶酔していそうな部分と冷静沈着さが交錯しているようなところもあったり、テクニカルな第3部でも技術的には楽々弾いている印象だが、妙にひっかかるようなテンポや表情があり、実にユニークな演奏というイメージである。目下のところ、それがおもしろい止まりなのか、クリエティブな試みなのかはよくわからないところもあるのだが、確かにデビュー直後、その特異な演奏で一斉を風靡していた頃の天衣無縫なオーラが伝わる演奏ではある。
・ユジャ・ワン
彼女のデビュー・アルバムからの演奏。ヴェルビエ音楽祭2008の演奏が凄すぎたのか、単に映像がないせいなのか(笑)、よくわからないところもあるが、あれに比べると、傷のない録音を目指したしたのか、このスタジオ盤は多少おとなしく優等生風のイメージで演奏している。ただし、その凄まじい技巧とカッキーンと鳴る打鍵の鋼鉄のようなタッチ、そして、しなやかなリズム感のような相変わらずだし、逆に妙に落ち着き払ったその演奏はスタンダードな風格すら漂う。
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