Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

マーラー 交響曲第9番/バルビローリ&ベルリンPO

2007年01月12日 23時22分27秒 | マーラー+新ウィーン
 マーラーの第9番は、ここ数年20~30代の頃に聴きまくったのが祟ったのか、いささか飽きたところがないでもないですが、やはり好きな曲です。で、この曲の眼目といえばやはり両端に配置されたり緩徐楽章ということになるんでしょう。特に30分はかかろうかという第1楽章は、それ自体単一の交響曲といってしまってもいいくらいに、山あり谷ありの豊富な情報量をもった音楽ですが、ハープとホルンなどが絡み合う短い序奏とそれに続く天上的な雰囲気と妙に解脱したような諦念がいりまじった主題が魅力で、これがとにもかくにもソナタ形式のほとんど限界ともいえるような膨張した規模の中で、様々な情念的展開をともなっては現れては消えていくところが聴きどころになっていると思います。また、第4楽章はブルックナーの第9番の第3楽章なども通じる、魂が浄化し、現世と告別をするような様を描いたような音楽で、第1楽章には頭一つ及ばないと思いますが、やはりマーラーの描いた最も魅力的な音楽のひとつだと思います。

 さて、今日はバルビローリ指揮のベルリン・フィルによる演奏を聴いてみました。この演奏確かCD初期の頃に購入して、当初ずいぶんとお世話になった演奏ですが、実に久々に聴いてみたところ、第1楽章はやや情念的な部分に傾き過ぎて、もう少し平衡感のようなものが欲しいようにも感じましたが、バルビローリのイタリアの血を感じさせるやや大きな身振りでうたわれる第4楽章はこの曲の告別的なところがよく出ていてなかなか傾聴に足る演奏だと思いました。また、これが録音されたのは60年代後半といえば、「カラヤンの楽器」としてほぼ独占的されていたことからすれば、この録音はその数少ない例外として、ベルリン・フィルの歴史的資料としての価値も大きいかもしれませんね。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ニューイヤー・コンサート199... | トップ | G.エメリック/ザ・ビートル... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

マーラー+新ウィーン」カテゴリの最新記事