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第1648回 N響定期公演

2009年08月04日 23時32分36秒 | ブラームス
 BSで録りためあったN響の定期演奏会から、この5月20日にサントリーホールでの1648回の模様を観た。ブログラムはオール・ブラームスでネルソン・ゲルナーをフィーチャーしたピアノ協奏曲第2番と交響曲第2番という構成である。指揮は日本の尾高忠明である。寡聞にして私はピアノのネルソン・ゲルナーはもちろん、指揮の尾高についてもほとんど何も知らないのだが、どちらかといえば、演奏家の解釈云々というよりは、たまにはブラームスの曲の演奏を「観てみる」のも悪くない....みたいな感じで視聴した感じである。私は近年、すっかりクラシックの生演奏とは疎遠になっているし、そもそもブラームスの生など私はほとんど観たことがないかもしれないのだ。

 さて、そのブラームスの曲の演奏を「観てみて」感じたことといえば、自分にとっては当たり前のことかもしれないけれど、「やっぱ、ブラームスの曲って素晴らしい、なんやかやといっても、ブラームスって自分にとって、一番好きな作曲家だよなぁ」ってこと。ピアノ協奏曲第2番と交響曲第2番はどちらも作曲したプラームスの中期というか、彼が公私ともにもっとも安定していた時期の作品だから、曲はどちらもそこはかとない哀感を漂わせつつも、けっこう田園的な幸福感が溢れていたりするのだが、実をいうと私はブラームスの作品でも、そうした理由が故に、どうもこの時期の作品は食い足りないような気がしたりもしているのだ。ところが、こういう映像付きという、いつもと違った形で聴くと、意外にも曲の良さを実感できたりした訳だ。

 ブラームスの曲はオーケストラ的にみれぱ、当時のモードからしてもいささか古臭い保守的なものだったのだろう。ただし、その各パートをやりくり上手して、落ち着いた色調の中にも多彩な色彩を散りばめたりして、実は非常に巧緻なオーケストレーションだったりする訳だけど、映像付きだけととてもよくわかる。とにかく裏に回ったパートがいろいろ思わぬ動きをしているのが改めて分かったりするのだ。「ははん、ここで第2ヴァイオリンはこういう風に動いてたのねー」「あらら、ヴィオラけっこう活躍してるじゃん」「金管ってこんなオブリガートしてたっけ」ってな感じである。で、そうしたいろいろな発見をしつつも、やはりブラームスの音楽って、実に自分の身体にピタっとくる代物であることを再発見したもするのである。

 マーラーも好きだし、新ウィーンもいい、「トリスタン」も最高、でも、自分にとって、やっぱ一番「好き」な作曲家はやっぱブラームスなんだろうな....などと、なんとなく納得してしまった演奏会であった。ちなみに尾高の指揮は質実剛健だが、けっこう熱っぽいところもあり(N響してはかなり轟音だったと思う、ついでにゲルナーのピアノも輪をかけて轟音だった-笑)、なかなか好演だったと思います。

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