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連合艦隊司令長官 山本五十六(丸山誠治 監督作品)

2009年08月28日 23時51分21秒 | MOVIE
 東宝8.15シリーズの第2作。第1作はいうまでもなく「日本のいちばん長い日」である。この「8.15シリーズ」というのは何本あるのか、いつまで続いたのかイマイチはっきりしないのだが、とにかくこの映画は公開当時、けっこうな話題になっていたような気がする。公開当時の私はまだ小学校の3年生くらいだったはずだが、主に円谷特撮が注目されたのだったにせよ、少年マガジンとかに大きく取り上げられていたように記憶しているし、その他いわゆる超大作っぽい派手な話題が、当時子供だった私にもあれこれ聞こえてきたのだろう。映画そのものを観た訳ではないのだが。白い軍服を着た三船敏朗の凛々しい姿はよく覚えている。ひょっとすると第二次大戦中に「山本五十六」という名の名将がいたこともこの映画で知ったのかもしれない。

 さてこの作品、シリーズとはいうものの、要するに「毎年夏に公開される東宝の第二次世界戦をテーマとした映画」という程度の関連で、モノクロでドキュメンタリー・タッチのシリアスが横溢した第1作の「日本のいちばん長い日」に比べると、仲代達也のナレーションに佐藤勝の音楽は共通しているから、多少は共通する雰囲気がないでもないが、こちらはカラーのワイド画面で綴れる、スペクタクルな特撮を交えつつ、山本五十六の人となりを主体とした劇映画といった風情で、雰囲気も性格もかなり異なる仕上がりとなっている。監督の丸山誠治は、寡聞にして私は初めて耳にした。フィルモグラフィーを調べてみると、この手の戦争映画以外ではホームドラマ系の作品が多いようで、私はほとんどみたことのない作品ばかりであるが、そういう経歴を反映しているのか、この作品も全体に声を荒立てたり、いきりたつような演出が全くなく、終始落ち着いたムードで、淡々として....と形容したいようなムードで進行する。このあたりをどう見るかは人それぞれだろうが、わたし的には真珠湾作戦の成功の高揚感にせよ、ミッドウェーの悲劇的敗北にしても、もう少しメリハリのあるドラマチックな演出をして欲しかったと思わないでもなかった。

 主演は三船敏朗で、はっきりいってしまえば、この人にための映画のようなもんだろう。前述のように白の軍服を着て軍や会議を指揮する様は非常に凛々しく、本物の山本五十六の姿を覆い尽くしてしまうほど印象が強烈だ。ただ、先に書いたようにあまりに性格が温厚すぎて、パッショネイトなところがあまりないので、三船のキャラが不発に終わっているところがないでもない。その他、キャスト的には東宝オールスターであり、おなじみの面々がづらりと登場するのは楽しい。あと、女学生くらい年頃の役で若き日の酒井和歌子が観られたのはうしかった。なにしろこの時の彼女は星由里子を引き継ぐ東宝青春スターになりかけていた頃だったハズで(若大将のヒロインも彼女にバトンタッチされるのはこの頃だったハズ)、そのキュートさはなかなかであった。

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