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ロッシーニ序曲集/トスカニーニ&NBC SO

2005年04月28日 23時59分59秒 | クラシック(一般)
 アバド&LSOのアルバムを聴く前にこちらが届いてしまいました。トスカニーニ&NBC交響楽団によるこの「ロッシーニ序曲集」は昔から、究極の名演として名高いものでしたが、40年代後半~50年代初頭というモノラル期の録音ということで、HiFi録音好きの私としては敬遠してきたのです。

 しかし、実際聴いてみると、この演奏の凄さには圧倒されます。やはり究極の名演奏は嘘でなかった....というか、そんなこと分かり切っていたはずなのに、なんで今まで聴かなかったのだろうと思うくらいの代物でした。トスカニーニという指揮者は大戦前、かのフルトヴェングラーと並び称されたイタリアの大指揮者で、フルトヴェングラーが主情的にテンポを揺らしロマン派的な演奏をしたのに比べ、トスカニーニは厳格なテンポと楽譜に忠実な演奏をモットーとした、近代的かつ高精度な演奏でその後登場する指揮者に巨大な影響を与えたといわれていますが、この演奏から感じるは、むしろその演奏のホットさ、ハイ・テンションぶりです。

 とにかくテンポが早く、リズムのキレはシャープそのもの。メロディの歌わせ方はごてごてさせずストレートそのなのですが、とにかく前へ前へという感じで、煽るように音楽を進めていく様は狂熱的としかいいようがないものです。「セビリアの理髪師」など本編に入るまでの序奏的部分など、まるでスポーツカーみたいなテンポですし、テーマが始まると早々とテンションを上げ、まさしく狂熱的な勢いでラストまで駆け抜けるという感じです。「どろぼうかささぎ」で聴ける壮麗な後半部分のブリリアントさなど、思わず目もくらむほどでした。早めのテンポでトスカニーニが演奏するロッシーニ・クレッションドの凄さは、昔からとても有名でしたが、これほどのものだったとは!。ちょっと言葉を失う凄さです。

 そんな素晴らしい演奏なのですが、残念ながらこれはモノラル録音。しかも放送録音みたいな残響が極端に少ない、潤いのないドライな音質なのは(1曲だけ入っているライブは違いますが)、かえすがえすも残念です。あと10年、いや、あと5~6年長生きしてれば、ステレオ録音に間に合ったのになぁ>トスカニーニ。 

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