チック・コリア、ミロスラフ・ビトウス、ロイ・ヘインズのトリオが14年振りに再開してのアルバム「トリオ・ミュージック」のディスク2はセルニアス・モンク集である。モンクといえば、私のようなスタンダード・ナンバー好きには「ラウンド・ミッドナイト」として有名で、実際このアルバムにも同曲が収録されたりしているけれど、今一歩深度を深めたところで、ジャズ界のミューシャンズ・ミュージシャンというか、ジャズ界でもかなり特異な作曲家として、ジャズ・ミュージシャンの中でもリスペクトの対象になりやすいという存在でもある。私などモンクのユニークさというならある程度感知できるものの、その良さとなるとさっぱり実感できないというが正直なところなのだが(ちなみにデューク・エリントンにこれはもいえる)、それでも自宅にはモンク集といった企画のアルバムが少なからずあったりするから、やはりジャズ・ミュージシャンにとっては、一度は手がけてみたい素材なのだろうと思う。さっそく聴いてみよう。
さて、本ディスクだが「リズム・ア・ニング」からスタートする。この曲はアコースティック・バンドの演奏で馴染み、遡ってこちらのヴァージョンを聴いたという感じだが、アレンジの大筋は同じだが、アコースティック・バンドでのきっちりかっちりとした演奏に比べると、ディスク1のインプロでトリオ自体が相当のいってしまっていたのか(笑)、かなりフリー....いやかっとんでいる演奏である。およそオリジナル曲を意識にしているコリアだけみたいなところがあり、ビトウスとヘインズはイケイケなノリで飛ばしまくっているという感じか。「ラウンド・ミッドナイト」「エロネル」は、前者は陰、後者は陽という色合いの違いはあるものの、アルバム中ではかなりオーソドックスなピアノ・トリオ演奏だ。「シンク・オブ・ワン」はアーシーなユーモラスさ滲ませた実にモンクらしいアクを感じさせる作品。多分、ジャズ・ミュージシャンこういうアクに、なにやら己のミュージシャン、インプロバイザーとして霊感を刺激されるのではないか?。3人の演奏も実に楽しそうだ。
「リトル・ルーティ・トゥーティ」も実にモンクらしい、引きつったようなリフがポイントになっている。こういうリフというかモチーフをフックにして、実にスムースにチックのインプロに移行して、ビトウスのソロにバトンタッチするところでもこのリフをフックにしているあたりがおもしろい、ある意味フュージョン的な流れを感じさせる。ラストの「ハッケンサック」も同様だ(そういえばこれもアコースティック・バンドでやっていた)。「リフレクションズ」は、私の場合、ドナルド・フェイゲンのインスト作品で知ったのだけれど、あれはモンクの作品にひそむ都会的な哀感だとかヒューマンな感覚を実にモダンに表現した素晴らしい演奏で、個人的には大好きな演奏なのだけれど、このトリオによる詩的な演奏も負けず劣らず素晴らしい。割とフリージャズ的な奔放さが目立つこのアルバムでは、もっともスタティックな美しさを感じさせる演奏といってもよく、それが故にアルバム中でもひときわ光輝いているという感もある。
さて、本ディスクだが「リズム・ア・ニング」からスタートする。この曲はアコースティック・バンドの演奏で馴染み、遡ってこちらのヴァージョンを聴いたという感じだが、アレンジの大筋は同じだが、アコースティック・バンドでのきっちりかっちりとした演奏に比べると、ディスク1のインプロでトリオ自体が相当のいってしまっていたのか(笑)、かなりフリー....いやかっとんでいる演奏である。およそオリジナル曲を意識にしているコリアだけみたいなところがあり、ビトウスとヘインズはイケイケなノリで飛ばしまくっているという感じか。「ラウンド・ミッドナイト」「エロネル」は、前者は陰、後者は陽という色合いの違いはあるものの、アルバム中ではかなりオーソドックスなピアノ・トリオ演奏だ。「シンク・オブ・ワン」はアーシーなユーモラスさ滲ませた実にモンクらしいアクを感じさせる作品。多分、ジャズ・ミュージシャンこういうアクに、なにやら己のミュージシャン、インプロバイザーとして霊感を刺激されるのではないか?。3人の演奏も実に楽しそうだ。
「リトル・ルーティ・トゥーティ」も実にモンクらしい、引きつったようなリフがポイントになっている。こういうリフというかモチーフをフックにして、実にスムースにチックのインプロに移行して、ビトウスのソロにバトンタッチするところでもこのリフをフックにしているあたりがおもしろい、ある意味フュージョン的な流れを感じさせる。ラストの「ハッケンサック」も同様だ(そういえばこれもアコースティック・バンドでやっていた)。「リフレクションズ」は、私の場合、ドナルド・フェイゲンのインスト作品で知ったのだけれど、あれはモンクの作品にひそむ都会的な哀感だとかヒューマンな感覚を実にモダンに表現した素晴らしい演奏で、個人的には大好きな演奏なのだけれど、このトリオによる詩的な演奏も負けず劣らず素晴らしい。割とフリージャズ的な奔放さが目立つこのアルバムでは、もっともスタティックな美しさを感じさせる演奏といってもよく、それが故にアルバム中でもひときわ光輝いているという感もある。