みなさんもご存知のように国も電力会社も原発の再稼働を熱心に画策しておりますが、GGIは原発再稼働は悪魔の誘惑であると確信しておりますので、なんとか再稼働を止めさせたいと思っております
そのため、以前の日記にも書きましたが、昨年GGIは、わが庵のサザンガーデンにおける唯一の大木であるナンキンハゼ君を思いっきり成長させて、その枝を関電さんの電線にまで届かせて送電妨害を行うことを計画いたしました、関電さんに再稼働をあきらめてもらうためであります
この目的を達するために、昨年末、毎年冬になると伸びきったナンキンハゼ君の枝を切り落とすためにやってきる市のシルバー人材センターのおじさんたちがやってきたときに、かくかくしかじかだから、今年は枝を切り落とさないでほしいとお願いしたのでありました、そうすれば来年の夏には、切り落とされずに残った枝がぐんぐんと伸びて関電さんの電線に到達するであろうと考えたのです
いつもの年でありますと、冬の間に枝をばっさり落とされてナンキンハゼ君は春になっても丸坊主同然でありますが、今年はナンキンハゼ君、春先から元気よくグングンと枝を伸ばし始めていました
これはなかなかいい調子だなあ、このままいけば無事目的を達することができそうだと思い、ナンキンハゼ君にたずねてみました
「ナンキンハゼ君、この冬に枝をばっさりやられなかったので、君は春先から元気がいいなあ」
「ありがとうGGIさん、おかげさまで元気です」
「ところでナンキンハゼ君、いつごろまでに君は関電さんの電線に届くつもりなの?」
「まかせて下さいGGIさん、私はGGIさんのご希望をよく理解しております、まあ、できれば七月中にはと思っているのですが、遅くとも八月のお盆の頃までには関電さんの電線に到達するでありませう」
ナンキンハゼ君の言葉に安心しておりましたが七月中には関電さんの電線に到達しませんでした、八月に入り芙蓉の花さんたちが元気に咲き始めたころ、「おいナンキンハゼ君、だいじょうぶか?もうあまり時間がないぞ」と申しましたら、「ご安心を、もう少しです!」という答が返ってきました
しかしながら・・・・今夜の写真をよろしければクリックしてご覧になってください、もう10月も半ばというのに、あとは枯葉になって散るばかりでというのに、ナンキンハゼ君は関電さんの電線に到達しておりません、あと二メートルぐらいはありそうです
そこでGGIは意を決してナンキンハゼ君に申しました
「ナンキンハゼ君、約束がちがうじゃないか、もう10月も半ばだぞ、君はもうそれ以上は伸びることができないだろう、これではGGIの送電妨害計画は実現できないじゃないか、どうしてくれるんだ」
「GGIさん、何を言っているのですか、私は約束なんかしていませんよ、GGIさんが勝手に期待しただけですよ、はじめは期待にできるだけ応えようとは思ったのです、しかし、途中で考えが変わったのです」
「途中で考え変わった?いったいどういうことや」
「GGIさん、私はもう今は《成長》の時代ではないと突然悟ったのです」
「いったい君はどうしたんや、とつぜん経済の専門家でもなったのか?」
「その通りです、先日もアンドルー・ゴードンさんという日本近現代史の学者が朝日新聞(10月11日)で言っていました、《もう世界全体として3~5%という高い成長は望めない,せいぜい1%、日本はこの低成長の中でよい社会を維持することを考えねばなりません、低成長の下での人口減少、少子高齢化、環境への配慮、労働人口の減少に伴う生産力の低下、原発の在り方も含めてエネルギー不足への対処、要するに低成長時代に生活様式をどう改めるか、課題は山積、日本は発想を帰る必要がある》と言っているのです」
「わかった、わかった、もう講釈は十分や」
「いやGGIさんはちっとも分かっていません、日本を代表するケインジアンの老経済学者、伊藤光春さんも最近「アベノミクス批判」という本(岩波書店)のなかでこう言っているのです、《6月に開かれたG8サミットで不況感ただようEUの首脳たちを前に日本の経済成長政策という場違いとも思われる発言をしている。しかし、いまは成長志向ではない。2050年に、わが国の生産年齢人口は現在の6割に減る。これに対処する政策を今から用意しなければ、自治体ひとつをとっても破綻を免れないだろう。安倍首相のように成長志向などと言ってはいられないのである。安倍首相のこの姿勢は将来に大きな禍根を残す》」
「いやあ、ナンキンハゼ君よ、すごい言いわけやなあ、参いりました、今や成長の時代でないことはよくわかった、でもなあ、君は樹木やろ、日本経済ではないやろ、それなのになぜ君は日本経済の代弁なんかするのや?」
「GGIさん、私だってほんとうは関電の電線に届くまで成長したかったのです、でも、自分だけ成長しようなんていう身勝手なことはよくないと反省するに至り、泣く泣くあきらめたのです」
「ほんまか?泣く泣くあきらめたわりには、君は秋晴れの空のもとでずいぶん元気そうやないか」
「GGIさん、人生ときにはあきらめることも必要なのです、あきらめることで気持ちが落ち着いて元気が出ることもあるのです」
「ほんまかぁ!」
グッドナイト・グッドラック!